高成長企業の分析から見えてきた3つの成長パターン

1人当たりの付加価値を高めている先行例としては、どのような企業が挙げられるのか。

デロイトトーマツグループ『価値循環の成長戦略』(日経BP)
デロイトトーマツグループ『価値循環の成長戦略』(日経BP)

本書では、東京証券取引所の上場企業を対象に、1人当たり付加価値を持続的に高めている「高成長企業」19社を抽出した。

それらの「高成長企業」の成長パターンについて類型化すると、「共通化」を通じて頻度(回転)を増すことに重きを置くパターンの「ライフライン化」、「蓄積」をてこに「差異化」を通じて価格を高めることに重きを置くパターンの「アイコン化」、それらの中間に位置するパターンとなる「コンシェルジュ化」という3つのパターンに分類することができた(図表7参照)。

この3つの成長パターンはあくまでも基本類型であり、実際には様々なバリエーションがあり得るだろう。各企業には、自社を取り巻く顧客ニーズや市場環境などに即して、これらの間の最適なバランスを見極めることが求められる。

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