そして「プレゼント」も重要なキーワードである。ネット通販の魅力は贈り物のように品物が届くこと。日頃自分宛の郵便物があまりない主婦などにとっては、箱に「○○様」と名前が記されているだけでうれしいのかもしれない。そして開けてビックリ玉手箱。開けるときのドキドキ感がクセになり、ドキドキするために時に失敗すら必要になり、失敗してもまた注文してしまうのである。

だからこそ夫から妻へのプレゼント。一緒に買い物に出かけた際に、買った商品を箱に入れ、リボンをつけてもらって、「これ、プレゼント」と彼女に手渡すだけでもよいと思う。中身がわかっていても「贈られる」ことが大切なのである。下手に気合を入れて自分なりにモノを選んだりすると、自分はやるべきことはやったというひとりよがりの達成感を見透かされて失敗しがちである。かといって「何が欲しいの?」と聞いてもいけない。欲しいというから買ってあげた、では恩着せがましい。

では、どうすればよいのか?

耳を澄ますのである。妻の日頃の発言、さりげない会話の中に出てくる言葉を聞き逃さないこと。そこには必ず彼女の本当に欲しいモノのヒントがある。妻はそうしてサインを送り、夫の反応を試しているのである。

以上、まるで女性心理を知り尽くしたかのように縷々述べたが、すべて、「ハマる気持ちはよくわかる」と明言する妻に教えてもらったことである。つまり日頃私が怠っていることばかりで、やはり妻に対して慢心は禁物。常に理解しようとする姿勢が肝要なのだとあらためて反省した次第である。

ノンフィクション作家 
高橋秀実 

1961年、神奈川県生まれ。『やせれば美人』『おすもうさん』『趣味は何ですか?』など独自の取材スタイルで書き上げた著書多数。
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