気配り力を上げる通勤時のトレーニング

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図16/過半数が会議前に資料を配布

会議の準備やメールの利用法でも年収による大きな違いが生じている。

1500万円社員の52.4%が実行している「資料は事前にメールで配布しておく」ことも根回しの1つといえる(図16)。資料を事前に配付しておくことで出席者は提案内容を検討する時間がつくれ、的を射た意見を述べることができるだろう。少なくとも会議で説明が延々と続く事態は避けられる。

また、会議の日時が近づいたことを知らせるリマインドメールも、デキる社員は積極的に利用している。

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図17/4割近くがリマインドメールを出す

「リマインドメールを出す」と答えた1500万円社員は38.3%に上り、600万円社員の23.2%を大きく引き離している(図17)。1500万円社員は相手に負担をかけずに、念押ししたという証拠はしっかり残るというリマインドメールのメリットを活かしてさりげなく気配りをしているのだ。

では通常のメールの書き方はどうか。1500万円社員の72.8%が「メールは相手によって文体や長さを変える」のに対して、600万円社員は57.7%にとどまっている(図18)。

さらに相手や依頼内容によっては手紙のほうが適していることがあるし、地位が高い人、年齢が高い人でも、時候の挨拶抜きで「要件だけを簡潔に書く」ことを喜ぶ人もいる。そこでメールでもTPOに合わせた文体や長さで書き分ける気配りが求められる。

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図18/7割が相手によってメールを変える

ここまで読んでわかるようにビジネスにおける気配りは決してむずかしいことではない。相手をよく見て相手の気持ちになって行動すれば、自然にできるはずである。

とはいえ自信が持てないという人もいるだろう。そんな不安があれば、まず自分が次の2つのタイプのどちらに当てはまるのかを考えてほしい。

(1)気配りしたいと思っているが行動に移せない人。
 (2)気配りするより前に行動してしまう人。

もし(1)のタイプなら朝の通勤電車の中で「今日はこんな気配りをする」と1つ、2つでも決めて行動に移そう。いきなり高度な気配りを目指さずに、社内宴会の幹事を務めるなど低い階段を一歩一歩上る感覚でいい。

(2)のタイプは帰りの通勤電車の中で「今日の行動がうまくいったかどうか」を反省しよう。ノートをつけ、なぜうまくいかなかったかを明確にするとさらに改善は進む。

朝晩の通勤電車の中で、毎日少しずつ職場にいる人々を思い気持ちを慮り、そして日中に行動する。それが継続できれば、「仕事の強力な味方」を増やすことができるだろう。

※すべて雑誌掲載当時

(構成=山本信幸)
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