不満や怒りをぶつけてくる人には、どう対処すればいいか。精神科医の藤野智哉さんは「目の前の人の『怒り』は、相手の問題であって『あなたのせい』ではない。もし、かかわらなければいけない相手が上司だとしたら、上司を『人』と思うのではなく『猫』と思えば、心理的に距離をとったうえで、少し落ち着いた気持ちで相手に接することができる。相手との関係も少しは変わっていくこともあるはずだ」という――。
※本稿は、藤野智哉『「そのままの自分」を生きてみる 精神科医が教える心がラクになるコツ』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)の一部を再編集したものです。
扉をバンッと閉めて不機嫌アピールをする夫の心理
いつもピリピリしていたり、他人の前で平気で不機嫌になる人っています。
怒りっぽい性格だとか、メンタルの調子が悪いなどのいろんな事情があると思いますが、「不機嫌さで他人をコントロールしようとする人」も多いです。
たとえば、下記は典型的な例ですよね。
・言いたいことを言わず、扉をバンッと閉めて不機嫌アピールをする夫
・会議の報告中にため息をついたり、イライラを隠さない上司
・誘いを断ったら、公園で会っても無視してくるママ友
・会議の報告中にため息をついたり、イライラを隠さない上司
・誘いを断ったら、公園で会っても無視してくるママ友
夫が扉をバンッと閉めて「俺は怒ってるんだぞ」とアピールした場合、妻が気弱な人なら機嫌をとってくれるかもしれません。
しかし、それが夫にとっての成功体験になって、ますます「イヤなことがあったら、怒りをアピールすればいいか」となっていきがちです。
仕事の出来や成果に不満のある上司も「このくらいイライラした態度をとれば、部下もあせって仕事するだろう」と思っているかもしれません。
無視するママ友も「私の要求に応えられないとこうなるってことを思い知らせたい」なんて気持ちがあったりします。
これらの態度は「不機嫌さを表に出すことで他人をコントロールしようとしている」といえます。
やられたほうはたまったものではないですよね。