相手を「猫」と思って心理的な距離をとってみる

まずは、前項のように、「相手の感情」は相手のものだと線引きすることが大事です。相手の感情は、「相手の領域」といえます。

目の前の人の「怒り」は、相手の問題であって、「あなたのせい」ではありません。

その人は、その人の理由があって勝手に怒っている。それくらいの線引きで考えてみるのです。

そのうえで、「心理的に距離をとる」のです。

たとえばですが、かかわらなければいけない相手が上司だとしたら、上司を「人」と思うのではなく、「猫」と思ってみるというやり方があります。

藤野智哉『「そのままの自分」を生きてみる 精神科医が教える心がラクになるコツ』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)
藤野智哉『「そのままの自分」を生きてみる 精神科医が教える心がラクになるコツ』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)

「なんかシャーシャー言ってるけど、お腹が減ったのかな?」
「うなってるけど、しばらくほうっておけば寝だすかも」

というように上司を心の中で見てみるのです。

目の前の怒ってくる上司にこういう見方ができれば、まあまあ「心理的な距離」をつくれるのではないでしょうか。

そうやって心理的に距離をとったうえで、少し落ち着いた気持ちで相手に接することができれば、相手との関係も少しは変わっていくこともあると思います。

「自分のせい」だと思うのをやめて、そっと距離をとってみる。それが難しいなら、心理的な距離をとってみる。

そんなやり方もあると覚えておいてほしいなと思います。

【関連記事】
【第1回】「3年続けなさい」は無視していい…精神科医が「我慢しないで逃げる人こそツヨツヨ」というワケ
「今から行くから待ってろコラ!」電話のあと本当に来社したモンスタークレーマーを撃退した意外なひと言
嫌いな人と対峙してもケロリとしていられる…ストレスフリーの人が頻繁に使う"4つの言葉"
「他人の悪口をいう人間」と付き合うと不幸になる…最高の人生には邪魔になる「縁を切るべき人」の見分け方
アルバイトにLINEを送ったら次の日から店に来なくなった…店長が激しく後悔した"軽い注意喚起"の文面