新NISAを始める際、仕事などで多忙な投資初心者はどんな点に注意すればいいのか。個人投資家の桶井道さんは会社員時代から投資を始め、持病や親の介護を抱えながらも現在の資産は1億7000万円超。「新NISAを徹底活用するなら、株価の上下などマーケットベースではなく、自分が将来あるべき理想の姿=ゴールべースで判断することが重要だ」という。その投資ルールとは――。

※本稿は、桶井道『お得な使い方を全然わかっていない投資初心者ですが、NISAって結局どうすればいいのか教えてください!』(すばる舎)の一部を再編集したものです。

札束を持つ子ども
写真=iStock.com/mapo
※写真はイメージです

親の介護をしながら持病のある独学投資の元会社員が億を貯めた理由

私は30代で見つかった内臓疾患が39歳で悪化して、挫折を味わいました。人生を悲観していたときに、アベノミクスが転機となりました。25歳からしていた投資を勉強し直して、再チャレンジ。どん底から這い上がることができました。行動が人生を変えました。

私がアベノミクスに救われたように、みなさんには新しいNISAがあります。従来のNISAの弱点がおおよそなくなり、「神NISA」へと生まれ変わっています。政治には希望が持てない風潮が漂っていますが、政治が助けてくれることもあると思います。新しいNISAを活用しましょう。行動して人生を変えましょう。

私は「ゴールベース」という言葉をよく使います。先に将来あるべき理想の姿を明確にすることで、「いまどう判断し、いまどう行動すべきかが見えてくる」と考えます。それにより、正確に努力でき、正しい方向に進むことができ、目指す「ゴール」に辿り着けるのです。

投資は長旅です。その道中では金融危機、為替レートの変動、政治リスク、地政学リスク、新型コロナのような新しい感染症の発生など、いろいろなことが起こります。またGDP、雇用統計、CPI(消費者物価指数)などいろいろな経済指標の発表があります。

これらによって株価は動きます。そして、株価は上がるときよりも下がるときに急激な動きをします。しかし、慌てないでください。これらに反応して投資判断を下すことは、「マーケットベース」で判断していることになります。それは短期売買のやり方です(上級者向けとなります)。新しいNISAを徹底活用したいのであれば、マーケットベースで判断する必要はありません。判断基準は、常に「ゴールべース」と心がけてください。

マーケットベースで判断すると……「株価が暴落したから怖い、早く売ってラクになりたい」と思うかもしれません。

一方、ゴールベースで判断すると……「株は安いときに買うのが鉄則。いまはチャンスだから追加投資しよう」と思うでしょう。そうすることで、より早くゴールに到達できる可能性が高くなるからです。

投資はメンタルが大切ですから、「おけいどん式ノールック投資」を紹介します。暴落相場で、買う(追加投資する)気がないなら、ポートフォリオにログインせず、株価すら見ず、嵐が過ぎ去るのを待つのがメンタルを保つ手段になります。見てしまったらガッカリしてメンタルに響きます。投資に限らず何事にも共通することですが、わざわざガッカリする行動を取る必要はありません。