投資は「長期の積み立て」を勧められることが多い。「長期」とは具体的にどれぐらいなのか。YouTubeに投資系の動画を投稿する投資塾ゆうさんは「私は最低15年は継続するようアドバイスしている。10年と15年を比べると、15年のほうが損失を抑えられ、利益率も高くなる」という――。

※本稿は、投資塾ゆう『知識も時間もないですが、新NISAでほったらかし投資よりお金を増やしたいです』(KADOKAWA)の一部を再編集したものです。

10年投資では勝率81%、平均利益率70%

一般的に、積み立て投資は長期で続けるのが大切といわれます。しかし、この「長期」というキーワードがあいまいで、いったい何年やればいいのかがよくわからないという人も多いのではないでしょうか。

そこで、過去のS&P500のデータを使って、10年継続した場合と、15年継続した場合の投資成果を調べてみました。

まずは1994年を起点に、1994年から10年、1995年から10年、1996年から2010年と直近までを21パターンの10年間を切り取って調べてみました。

利益が出ている場合を勝ち、損失が出ている場合を負けとみなすと、17勝4敗、勝率は81%です。平均の利益率は70%という結果になりました。最も利益が出たのは2012年~21年の期間で、利益率は168%。10年間で3倍近く資金を増やせた計算です。ゴールとなった21年はS&P500が過去最高値に到達した年でした。

これに対し、最も成績が悪かったのが、1999年~2008年の期間です。ゴールである2008年は、100年に1度の金融危機と言われたリーマンショックが起こった年です。最終的に2008~2011年をゴールとする4つの期間で損失を出しています。

これは先ほどの20年の積み立て投資で資産を倍にできたシミュレーションの中で、含み損が出続けていた時期にあたります。

この4年間は、リーマンショックの暴落を機に、株価が低迷を続けた期間で、100年に1度レベルの金融危機に1ドル70円台という歴史的な円高が重なりました。歴史的な株安と歴史的な円高のダブルパンチという、日本人の投資家にとっては歴史的な不運に見舞われた期間といえるでしょう。