「リーマン+円高」でもほぼ負けなしを達成できる

結論としては、15年間積み立て投資を継続しても、ゴールに100年に1度レベルの金融危機と、歴史的な円高が重なるという二重の不運に見舞われれば損失が避けられないわけですが、そんな場合でも、もう1~2年ふんばって積み立て期間を延ばせば救われるということです。こうした局面では、可能な限り相場が好転するまで積み立て投資を延長する価値は非常に大きいといえるでしょう。

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写真=iStock.com/primeimages
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積み立て投資はスタート時点の相場環境は気にする必要はありませんが、ゴール時点の相場環境が悪いとパフォーマンスが大きく落ちてしまいます。こうした場合でも延長という選択肢が取れるよう、ゴールの地点に多少の余裕を持った計画を立てておくと安心です。

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ちなみに、ここまで紹介したシミュレーションデータはすべて、日本円をドルに換えて投資した場合の試算で、為替変動込みの損益です。

これを為替変動がないと仮定して試算すると、15年の積み立て投資はどの期間を切り取っても全勝となり、負けはゼロとなりました。10年の積み立て投資でも20勝1敗で、ほぼ負けなしといっていいレベルです。

リーマンショックは株価が半値近くまで暴落したのに加え、ドルに対する円の価値も史上最高値となる1ドル70円台を記録したという、歴史的な株安と歴史的な円高が見事に重なった時期です。こうしためったにない不幸が重なってしまったとしても、1~2年耐えれば大きな利益が出るわけですから、やはり積み立て投資のパワーは強力だといっていいと思います。

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