マーチンゲール法で勝てるのか
カジノゲームで「必勝法」とされているもののひとつに、「マーチンゲール法」があります。別名「倍賭け法」といい、勝負をして負けたときに、ベット額を2倍にすることで負けた分を取り戻す賭け方です。カジノ以外にもFX取引などでも使われています。
ギャンブラーの間では、「絶対に負けない」といわれている有名な必勝法のひとつです。理由は、どれだけ連敗が続いても1回の勝利ですべての損失を取り戻すことができるからです。その理屈を説明します。
まずはマーチンゲール法の基本的な手順に関してです。選ぶゲームは勝率50%、配当が2倍のものを選択します。ここでは、ルーレットの赤黒ベットを例に説明します。
①初回に、ベットする金額を決める
②勝敗によって次のゲームのベット金額を変える
負けた場合:次の勝負では倍の金額を賭ける
勝った場合:攻略法をリセットして初回ベット金額に戻る
ルールは基本的にこの2点で、とてもシンプルです。
では、実際にシミュレーションをしてみましょう(図表4)。
ここまでのトータルでは31ドルをベットしたことになります。最後の勝負では16ドルをベットして勝ったので32ドルが返ってきます。
すると、最終的には「初回ベット額分だけ」利益が出ることになります。これがマーチンゲール法の仕組みです。マーチンゲール法では、連敗が続いたとしても1回勝てば負け分を取り戻すことができるわけです。
「勝つための方法」ではなく「大きく負けない方法」
この方法の落とし穴は、元手がかなり豊富にないと利益が出ないということです。マーチンゲール法はあくまで「大きく負けない方法」であって、「勝つための方法」ではないのです。1時間かけてゲームをして最終的に1ドル儲けたのなら、アルバイトをしていたほうがよほど生産的です。
「ギャンブルに必勝法はない」ということをお伝えした上で、強いて統計学的なギャンブルにおける一番の必勝法を挙げるとするならば、「ビギナーズラックで勝ち逃げすること」です。ギャンブルプレイヤーの間で「初心者のほうが当たりやすい」ということが、しばしば囁かれます。
ルールも知らずに初めてやったギャンブルで大当たりをすることがあるのですが、私からの提案は「そこで止めておきましょう!」ということです。
前述したように、大数の法則によってやればやるほど損をしていくのがギャンブルです。しかし、試行回数が少ない段階ではその確率はブレるのです。確率のブレこそが、「ツイている」「ツイていない」の「ツキ」の本質です。
長期戦になればトータルでは負けるけれど、ビギナーズラックで大当たりの時点では還元率が100%を超えることもめずらしくありません。
この状態のときに、是非とも勝ち逃げしましょう。「ビギナーズラックで大当たり」を経験することでギャンブルに味をしめてしまうと、ギャンブル沼に引きずり込まれ、胴元の思うツボです。