メンバーには毎日必ず日報を提出させている

【川村】だから極力、ガチガチの管理はしてこなかったんです。

【森田】確かに、中堅やベテランのメンバーならそれでもいいかもしれませんけど、新人のうちはある程度の管理はしたほうがいいんじゃないですか?

【川村】そこは僕も賛成です。ところで森田さんって、新人に対してどんな活動管理をやっているんですか?

【森田】日々の活動や進捗しんちょく、結果の報告をまとめた日報を、必ず提出してから帰宅してもらっていますけど。

【川村】なるほど。ちなみに森田さん、メンバーから出てきた日報のフィードバックは、毎日欠かさずやれていますか?

【森田】極力やっていますけど、日によってチェックできたりできなかったりはあります。

【川村】そうなんですね。メンバーには毎日必ずやらせて、森田さんはやったりやらなかったりなんですね?

【森田】……。

【川村】ところで、メンバーが日報を書く目的って、なんでしたっけ?

パソコンに入力する人のイメージ
写真=iStock.com/mapo
※写真はイメージです

【森田】それは、日々の業務連絡をしてもらうことが一番の目的だと。

【川村】えっ? それ、真面目に言ってます?

【森田】……。いや、メンバーが私のアドバイスを求めているからだと思います。

【川村】ですよね。つまり、森田さんとコミュニケーションをとるためですよね。

【森田】は、はい。

「日報を提出すること」が仕事になっている

【川村】それがしっかりできていないのなら、日報なんて必要あります? いっそのこと、やめちゃったらどうですか?

【森田】えっ? まったくやめてしまえということですか。

【川村】だって、新人メンバーからすると、日報を森田さんに提出することが仕事になっちゃっていませんか? 自分のためじゃなくて、森田さんのために。

【森田】私のため……。

【川村】はい。しかも結果として、森田さんの良かれと思っている管理が、新人たちのモチベーションを下げているとしたら、どうですか?

【森田】私がメンバーのモチベーションを下げてるって、どういうことですか!?

【川村】えっ、じゃあ、上がってます?

【森田】なにをおっしゃるんですか! メンバーのモチベーションを下げてでも、やらなきゃいけないことってあるでしょ!?

【川村】ハハハ。そこまで声を荒げて自信満々に言われちゃうと、さも正解かのように錯覚しそうになりますね。

【森田】さ、錯覚って、どういうことですか?

【川村】だから、あなたの言い分が正しいんだと、勘違いしてしまいそうだということです。

【森田】私が間違ってるとでも言うんですか!?