ついに、たった一人に……

一人で始めた、というより一人で始めるしかなかった、と言うべきかもしれません。そこから会社は資金繰りも厳しくなり、取引先への支払いや給料の支払いが遅延し、最終的にはスタッフ全員が辞めていきました。

結局、メディア事業もレストランもやめて、カフェグルーヴは民事再生法の適用を申請しました。その後、会社を清算します。

周囲からは、VIVA JAPANも整理して、自己破産し、一度借金をクリアにしてからゼロスタートすることを強く勧められましたが、もう一度復活することを誓って、会社を残しました。

これは、この会社と僕に出資してくれた人に本当に失礼だという思いが強かったからです。

小さく、一人で始めることに、今ほど適している時代はない

ここから、自分の借金を整理しながら、和牛ビジネスを模索する日々を始めることになります。しかし、やってみて感じたのが、一人の良さでした。気づいたのは、人がいないと仕事はできない、と思い込んでいた自分の姿でした。

オフィスが必要なくなり、固定費は一気に減りました。かつては300万円近くをオフィス賃料に毎月支払っていたのです。iPhoneさえあれば、オフィスなどなくても、いろいろなことができることに改めて気づきました。

昔みたいに各種機材もサーバー構築費用もいらない。小さなスマホ1つでいい。お金がかからないのです。それこそ、最低限の生活費さえあればいい。

小さく、一人で始めることに、今ほど適している時代はないと改めて思いました。