全世界25店舗を展開し、今後さらに10都市での店舗拡大を視野に入れる「WAGYUMAFIA」。レストランのみならず、日本の和牛を世界に知らしめるプロジェクトとして事業を推進する代表の浜田寿人さんは「僕自身もともとは和牛ビジネスの門外漢。でも、そういう人間だからできる新しい発想や売り方がある」という──。(第2回/全5回)

※本稿は、浜田寿人『ウルトラ・ニッチ』(ダイヤモンド社)の一部を再編集したものです。

世の中の大多数は「イメージ」で否定するだけ

和牛に関しては、もともと僕は門外漢でした。レストランをやっていたので、多少の知識はありましたが、和牛の流通について詳しく理解していたわけでもありません。

だから、「和牛を扱うなんて、無理に決まっている」という声をよく耳にしました。しかし、ではそう言う人は何か和牛ビジネスのチャレンジをして、ダメだったから言っているのかというと、実はそんなことはないのです。

なんとなくのイメージで語っていることが多い。しかし、ちょっと努力すれば、いろいろなものがはっきり見えてきたのでした。

それこそ、世間が漠然と思っているようなネガティブなカラクリは、簡単に見破れると思っています。

肉に塩をふる
写真=iStock.com/Mikhail Spaskov
※写真はイメージです

「門外漢」だからこそできることがある

当時の僕はレストラン事業を通して食材を触ることは少しありましたが、今みたいにキッチンに立って調理するというシェフ役ではありませんでした。コンセプトとメニューイメージを考える、ありがちなレストランオーナーの端くれでした。

当時の僕は一次産業も詳しくないし、肉にも詳しくなかった。ずっと携わってきたのは、メディアだったり、エンターテインメントの世界だったりしました。

でも、門外漢だからこそ、こういう人間だからできる新しい発想や売り方というのがある、と思うのです。自分なりのアプローチの方法でいいのです。