旅費を使えばかなりの節税になる

事業者の強力な節税方法に、「旅費」がある。

旅費というのは、仕事の関係で出張などをしたときの経費のことである。

旅費こそが、事業者の醍醐味だいごみといえるだろう。

「旅費といっても、うちの仕事は出張なんてない」

と思った事業者の方もおられるかもしれない。

しかし、事業での旅費というのは、いわゆる“出張”のときだけに生じるものではない。個人的な旅行であっても、仕事関係の情報を仕入れる目的があれば、「視察旅行」として経費に計上することができる。

地方に旅行するとき、その地域で評判になっている同業者をいくつか見学したり、その地域のサービスの状況をチェックしたりすれば、立派な「視察旅行」ということになる。また従業員の慰安旅行などをした場合、これも経費に計上することができる。

空港で大きなスーツケースを持つ観光客の男性
写真=iStock.com/Liubomyr Vorona
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お金に余裕ができたら、節税をかねて視察旅行を

たとえば、地方でネット関連の仕事をしている人がいるとする。ネット関連の情報を集めるために、秋葉原に視察旅行をすることにする。つまり、事業の経費を落としながら、東京見物ができるのだ。

ビジネスが国際化している昨今、海外に行こうと思えばなんとでもこじつけられる。

「中国に進出したいので、その視察をした」
「東南アジアの市場を開拓したいので調査のために」

などということにすれば、それを覆すことはなかなかできない。

ただし、この場合、ただの「見物」ではダメである。「視察旅行」という建前があるのだから、視察や情報収集をしなければならない。もちろん、秋葉原に行くだけで十分に情報収集にはなると思われるが、税務署対策として、なんらかのレポートくらいは残しておいた方がいいかもしれない。

このようにして、工夫次第でいくらでも「旅費」は使うことができるのだ。

この手法は、政治家や官僚がよく使っているものである。税金を使って遊びに行きたいけれど、遊びでは予算が下りない、だから視察旅行と称して、税金を使って物見遊山に出かけるのだ。

こんな美味しい制度を政治家や官僚だけに使われるのはもったいない。自営業者、フリーランサーの方も、お金に余裕ができたときは、節税をかねてぜひ視察旅行をしよう。

税金を使って旅行に行く人たちに比べれば、自分が稼いだ金で旅行するのだから、全然、良心的な方だといえるのだ。