中古高級外車で税金を逃れて蓄財する

税金を逃れるアイテムとして、中古高級外車というものもある。

車を買えば、耐用年数に応じて「減価償却」していかなければならない。

減価償却というのは、「何年にもわたって使う高額のもの(固定資産)」を購入した場合、買った年の費用として一括計上するのではなく、耐用年数に応じて費用化するというものだ。

たとえば5年の耐用年数がある100万円の電化製品を買った場合、1年間に20万円ずつ、5年間にわたって費用計上していくのだ。

この費用計上のことを減価償却費というのだ。本当はもっと複雑な計算を要するが、仕組みとしてはこういうことだ。

減価償却をする対象となる「固定資産」は取得価額が10万円以上のものである。10万円未満のものを購入した場合は、全額をその年の費用として計上していい。

減価償却の方法は、定額法と定率法というのがある。

定額法は耐用年数に応じて「毎年同じ額だけ」の減価償却費を計上していく。

一方、定率法というのは、資産の残存価額に一定の率をかけて、毎年の減価償却費を計上するという方法である。

定額法は、毎年同じ額の減価償却ができるのに対し、定率法は最初のうちは減価償却額が多く、だんだん少なくなってくるという特徴がある。だから、早く減価償却費を出したい場合は、定率法を選ぶべきだろう。

定率法にするか定額法にするかは事業者が自分で選択することができる(不動産の場合は定額法のみ)。定率法にしたい場合は、申告前までに税務署に届け出書を出さなくてはならない。もし定率法の届け出を出さなかった場合は、自動的に定額法になる。

中古BMW、ベンツなら2年で600万円の「利益減らし」も

中古高級外車の話に戻ろう。

普通車の耐用年数は6年なので、車の購入費用を経費として全部計上するまで6年かかる。

もし、120万円の車を購入したならば、1年間に20万円ずつ経費に計上して、6年間かけて全額が経費で落ちることになる、そういうことである。

しかし、中古車の場合、経過分の期間を耐用年数から差し引くことができる。耐用年数が短くなるということは、それだけ早く減価償却してしまえるということ、つまり、1年間に経費として計上できる金額が多くなる、ということだ。

たとえば、2年経過した中古車ならば、耐用年数は4年になる。120万円で購入した場合は、1年間に30万円ずつ経費に計上できるのだ。新車よりも、年間10万円だけ経費計上額が大きくなるわけである。

中古車の耐用年数というのは、次のよう計算方法で算出される。

(耐用年数‐経過年数)+(経過年数×20%)

たとえば、5年落ち(5年経過)の中古車を買った場合、自動車の耐用年数6年から経過年数5年を引く。それに経過年数の20%、つまり1年を足す。計2年となり、この中古車の耐用年数は2年ということになる。

1年未満の端数が出た場合は切り捨てとなり、最短耐用年数は2年である(計算式で2年以下になった場合は2年が耐用年数となる)。

中古車の耐用年数を並べてみると図表1のようになる。

このように4年落ちの中古車になると、耐用年数が2年になり、中古車の耐用年数は、それ以上は短くならない。2年が最短なのである。耐用年数が2年というのは、わずか2年で車の購入費をすべて経費に計上できるということだ。

BMW、ベンツなどの高級車は、中古だといってもそれなりに高い。500万~600万円するものもザラにある。それらが、たった2年で経費化できるのだ。つまり、中古BMWを買えば、2年間にわたって500万、600万円の「利益減らし」ができるということなのである。