1日の4分の1が「無駄な仕事」になっている

さらに懸念されるのは、「無駄・無意味な仕事」に費やされる時間の長さです。「無駄・無意味な仕事」をやらされていると考える66人に、「あなたは『無駄・無意味な仕事』に、1日のうち何時間程度を費やさせられていると感じていますか?」と聞いたところ、回答は以下のとおりでした。(図表4)

「1時間未満」 24人、36.36%
「1時間以上、2時間未満」 31人、46.97%
「2時間以上、3時間未満」 6人、9.09%
「3時間以上、4時間未満」 1人、1.52%
「4時間以上、5時間未満」 1人、1.52%
「5時間以上」 1人、1.52%
「わからない」 3.03%

回答数が最も多かったのは「1時間以上、2時間未満」で31人、46.97%にのぼりました。1日に8時間働くとして、最大でその4分の1の仕事を「無駄・無意味」だと感じている社員が半数近くにのぼるのです。

深刻なのはそれだけではありません。「無駄・無意味な仕事」をやらされていると考える66人に「今後この問題は改善されると思いますか?」と尋ねたところ、「思わない」が38人で、57.58%に達しました。6割近くがこれからも「無駄・無意味な仕事」をやらされ続けるだろうと回答したのです。(図表5)

改善される兆しもなく、やる気を失う

一方、「今後この問題は改善されると思いますか?」との質問に対して「はい」と答えた人は10人で、15.15%に過ぎませんでした。経営陣や上司は、社員が「無駄・無意味だ」と思っている仕事を、必要で意味がある仕事だと考えているのでしょうか。それとも「無駄・無意味だ」とは考えていても、「これまでやってきたから」などの理由で続けているのでしょうか。

いずれにしても改善される予感を抱いている社員は少数派です。無駄で無意味な仕事のまん延がどれほど社員のやる気を失わせているのか、想像に難くありません。無駄で無意味な仕事は、つまるところ誰のためにもならない仕事です。

本人の成長にも、会社の業績向上にもつながらず、顧客や消費者に利益をもたらすわけでもありません。やらされる社員にとっては苦役に等しい仕事であり、納得感のかけらも得られません。そんな仕事を前向きにこなせる社員はきっとどこにもいないでしょう。それどころか無駄で無意味な仕事を毎日毎日、1時間から2時間も押し付けられていたら、だれだって意欲を蝕まれ、やる気を失っていきます。