大きな仕事を成し遂げる人の特徴は何か。エグゼクティブ・コーチの林健太郎さんは「人はより力強く、能動的な意思決定をすることで、その仕事の中核になれる。チャンスがめぐってきても『どこまでが自分の仕事かわからない』という人は『プロジェクトX』の主人公には決してなれない」という――。

※本稿は、林健太郎『できるリーダーになれる人は、どっち? 話し方・考え方・聞き方……「ここ」で差がつく!』(三笠書房)の一部を再編集したものです。

仕事を断る人
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リーダーになれない人がよく口にする言葉ナンバーツー

本書の習慣5では「リーダーになれない人がよく口にする言葉ナンバーワン」として、「自分の仕事は自分で管理できて、やれと言われたことはちゃんとやっています。だから、上司への普段の『報・連・相』なんて必要ありませんよ」という言葉を紹介しました。

同じスタイルで、「リーダーになれない人がよく口にする言葉ナンバーツー」を挙げるとするなら、このような言葉を選びたいと思います。

「それは私の仕事ではありません」

あるいは、

「どこまでが自分の仕事かわからないんです」

あなたが働く職場では、次のような言葉が蔓延していませんか?

「それは私の担当ではありません」
「それはウチの課の仕事ではありません」
「それはちょっと範疇の外ですね」

会社の仕事ではたいていの場合、それぞれの仕事を任されている、いわゆる「担当者」が存在します。もしあなたが「私はその仕事の担当者ではない!」という意思表示をしたいのなら、こうした発言も納得できます。

そして、これは本書の習慣7で説明した「部分最適」に該当することにも、きっとお気づきになるのではないでしょうか。

ただ実務的には、複数のメンバーが作業を分担して、ひとつのタスクやプロジェクトを完了させる、いわゆる「協業型」の仕事も数多く発生します。その中には、仕事の分担を明確に切り分けられないグレーゾーンの業務は意外と多いはず。

そんな「担当が曖昧な仕事」の場合に、先に挙げた発言をすると、チームやビジネス全体にどんな影響を与えるでしょうか。

そんなことを考えながら、本稿を読み進めてみてください。