1on1が「ただの雑談」で終わらないために
1on1がうまく進まない理由のひとつに、「1on1の正解や終わりがわからない」ということがあります。
1on1の終わりは「用件が済むこと」ではなく、「(30分なら30分という)時間」にあります。ですから、話の途中で時間が来て中途半端な状態で終わりを迎えて「これで良かったのだろうか?」とモヤモヤすることがあります。
そうならないために、1on1の終わり方と1回の1on1の成果について認識しておくことは非常に重要です。終わり方が中途半端だと、せっかく途中で良い話ができていても「何か雑談して終わった」という印象を持たれることがあるからです。
そこで、部下の1回の1on1の成果を5つご紹介します。
➀有益な情報の獲得
30分上司と話をしたならば、最低ひとつくらいは自分が知らなかった新しい情報や有益な情報が得られるのではないでしょうか。
たとえば、単なる雑談からお互いの趣味の理解をするなども知らなかった情報の獲得です。このように、偶然の対話から得られる知識や情報は多々あるでしょう。
さらに、部下にとって「有益な」情報にしていくためには、自ら積極的に上司に質問をするなどして自分が知りたい情報を取りに行く行動が不可欠になるでしょう。
顕在化していない問題・課題を発見する
②問題/課題の発見・解決
上司と部下の対話で一番多いケースが、この問題解決のコミュニケーションでしょう。より1on1の場を有効に活用するためには、2つの側面を意識するとよいと思います。
まず、問題解決の部分について、上司にしてもらうものではなく、部下自身で解決する意識を持ちながら上司と対話することです。上司との対話の内容をヒントとしながら、まだ考え尽くせていないことを十分に考えて解決策を模索することです。そうすることで、より充実した場になります。
次に、問題や課題の「発見」に力点を置くことです。まだ顕在化していない「問題」を見つけようとすることは、中長期の視点や本質をつかみ取る深い洞察が必要なため、部下にとって成長促進の時間になります。さらに、部下の「課題」について上司からフィードバックを受けることは、部下自身の課題発見・認識の場になります。