社内での「1on1」では、どんなことを話せばいいのか。組織人事コンサルタントの世古詞一さんは「1on1には5つの目的と9つのテーマがある。それを踏まえると、若手社員には過去のこと、幹部候補には未来のことを話題にするといい」という――。

※本稿は、世古詞一『マンガでよくわかる1on1大全』(かんき出版)の一部を再編集したものです。

1on1の5つの目的

1on1が形骸化してしまったり、継続されなかったりする理由の大きな原因のひとつに、目的の共有ができていないことがあげられます。私が研修などで1on1を実践している上司側に目的を伺うと、「仕事以外の話をしてお互いを知る」とか「普段話せていないことを話す」「健康について確認する場」など断片的な話は出てきますが、戸惑う方がほとんどです。そこでまず、5つの1on1の目的を理解しておく必要があります。

① 信頼関係づくり
② モチベーションケア
③ 中長期の成果
④ 成長促進
⑤ 働きがいの向上

「信頼関係づくり」=お互いを広く深く知ることで、信頼関係を築くことができます。

「モチベーションケア」=1on1を実施することで最低限、不安(モヤモヤ)の解消ができます。仕事をしていると様々な葛藤や想いが出てきます。それによるストレスを軽減し、解消することができます。

「中長期の成果」=「中長期的な成果を出すためにどんな取り組みが行えるか」など、クリエイティブな対話をすることができます。また、継続して成果を生むための「仕組み」を考えるなど、改善や改革に向けて考えることもできます。

「成長促進」=前回の1on1以降、業務を通じてどんな成長があったか、どんな学びを得たかを話し合います。また、上司からのフィードバックを通じて、振り返る時間を取ることができます。

「働きがいの向上」=仕事に対する自分の想いを振り返ったり、組織について理解します。そうすることで、自分が行っていることと組織とのつながりを見出す時間をつくることができます。