9つのテーマすべてを話す必要はない
さらに、これらのテーマを単体ではなく、9つのボックスの全体像で認識しておくと、各ボックスのテーマのすり合わせだけではなく、ボックス間をつなげる意識が持ちやすくなります。
たとえば、今半期の組織方針を伝え(組織方針)、それに基づいて、個人目標を設定して不安を確認する(業務不安)。さらに、目標達成することでどんな能力が得られるのか(パーソナリティ)のすり合わせと、どう自身のキャリアに結びつくのかを確認する(将来キャリア)ことができます。これにより、部下も自分の業務を単体で捉えるのではなく、自身の成長や組織とのつながりを感じることができるようになるのです。
ちなみに、これらの9つのテーマを全部話す必要はまったくありません。テーマを探すときの材料としての活用に留めましょう。こうして、話すテーマの見通しを立てておくことは、上司と部下ともに対話の助けになります。
若手とベテランとですべき話題は異なる
まだ成長盛りの若手メンバーであれば、5つの目的の内の「成長促進」を意図して、業務の「振り返り」をテーマにするのがお勧めです。業務の中で得た気づきや発揮された強みを言語化していくことで、成長を実感できるでしょう。
また、シニアのメンバーであれば「中長期の成果」を目的として、業務改善をテーマとすると抵抗感無く受け入れてもらえます。シニアメンバーの持つ経験や知見を基に、さらなる業務の効率化やイノベーションの種などを探すべく、ブレーンストーミングを行うのは有効です。
さらに、管理職を志向しているメンバーであれば、組織レベルを中心に、組織方針や今後のチームの将来像について対話を行い、目線をすり合わせて引き上げていくこともできます。
このようなツールを活用することで、毎回場当たり的に話すのではなく、意図してその時々で必要なことを話すことが可能になり、お互いに心にゆとりを持つことができるのです。
実りのある1on1にするために、ぜひ以上のことを参考になさってください。