毎日誰かに会って話すことで心が安らいだ
数年後、アンドリューは、孤独を感じることはあるかという質問に対し、「よくある」と答えた。やはり一人暮らしということもあったのだろう。しかし、現時点での人生がどのくらい理想に近いかを7段階評価で答える質問には、「理想に近い」を意味する「7」と回答していた。寂しさは消えなかったが、人生は以前よりはるかに充実しており、これ以上よくなるとは思えないほどだった。
それから8年後の2010年、アンドリューは同じ友人たちと親しく付き合い、人間関係の輪をさらに広げ、生き方を変えたことで心が安らいだと言っていた。外で人と会ったり、自宅に人を招いたりする頻度を尋ねる質問に、以前は「まったくない」と答えていた。ところが、80代では同じ質問に対し「毎日」と回答した。
いくつになっても友人をつくることはできる
人生は千差万別だし、歳月とともに人も大きく変わっていく。だから、人生においてできることとできないことを一概に言うことはできない。ただ、最も孤立し、孤独を感じていた被験者の1人だったアンドリューは、救いを見出すことができた。生活のルーティンを変え、人とつながった。その過程で、自分には価値があると思える世界に足を踏み入れ、成長していった。
私たちは人とのつながりを渇望する世界に生きている。自分は流されるままに生きている、孤独だ、もう手遅れで何も変えられない、などと感じることもあるだろう。アンドリューもそうだった。変えられる時期はとうの昔に過ぎてしまったと思い込んでいた。だが、そうではなかった。遅すぎることはなかった。なぜなら、本当のところ、遅すぎることは決してないからだ。