SNSで見かける著名人の華やかな投稿を「うらやましい」と思ったことはないだろうか。元アナウンサーでエグゼクティブコーチの白崎あゆみさんは「どんなにキラキラした投稿も一部分の切り取りでしかない。うのみにしてはいけない」という――。

※本稿は、白崎あゆみ『「人と比べるくせ」を手放す 自分サイズの幸せを見つける5つの習慣』(KADOKAWA)を再編集したものです。

カフェでスイーツを撮影する人
写真=iStock.com/FreshSplash
※写真はイメージです

私たちは無意識に人と比べてしまう

人は、他人と自分をどうしても比べてしまうものです。そして、悩みます。

背が低い、背が高い。きれいだ、きれいでない。そういう容姿のことから、学生時代なら成績を、習い事をすれば得意不得意を他人と比べてしまいます。就職して社会人になれば、給与や昇進スピードを、プライベートでは独身か結婚しているか。さらに子どもが欲しいと思って妊活を始めると、不妊治療のスピードを他の人と比べ、晴れて妊娠できたとしても、自分の子どもの成長スピードや成績を他の子どもと比べてしまいます。

私たちは、どんなときも、無意識に人と比べてしまいます。

人と比べてしまう理由の1つは、他人と違うと攻撃されたり、立場が弱くなったりするのではないかという恐れです。

小さい頃、みんなと同じ制服を着て同じようなランドセルを持ち、同じ行動をすることで安心できた記憶はありませんか。忘れていても、多くの人の潜在意識に残っています。

その記憶によって逆に「人と違うことをしたら危険な目に遭うのではないか」という一種の防衛本能から、人と違うことをしないために、人と比べてしまうのです。「自分を守りたい」、その気持ちが大きくなりすぎてしまうことで、何でもかんでも、人と比べてしまうのではないでしょうか。

人と比べることで優越感や安心感を得られる

また、人と比べて自分の方が勝っていると感じると安心したり、優越感を得ることができます。これも傷つくことから「自分を守りたい」という気持ちから来ています。

私自身も、小さな頃からずっと人と比べて生きてきました。人と比べて「もっと人生を良くしたい」と思う悔しさを原動力にしてきたほどです。

悔しさを原動力にしてきたことが完全に間違っていたとは思っていません。悔しさにはとても力があり、そのおかげで人生で成し遂げてきたことはたくさんあります。

でも、前述したように、悔しさから手に入れた成果や立場によって感じられる幸せは一瞬のもの。一瞬、幸せを感じたら、すぐにまた別の何かを手に入れようとしたくなります。なぜなら、比べる対象は無限に現れるからです。