「他人にどう見られているか」ばかり気にしていないか
最近は、自分の私生活や考えなどをSNSに気軽に投稿できる時代です。
私が独立した2016年頃はちょうどSNS起業の走りの時期で、私自身も1日に何度も投稿し、他の人の投稿にもコメントしていました。SNSを営業のツールとして使っていたので、仕事中も、プライベートでも、何をしていても、どこに行っても、「次はどの写真を投稿しようか」ということが頭から離れませんでした。
そんな生活を数年続けていると、1日の24時間全てが「他人に見られている」「他人に評価されている」という錯覚に陥りました。自分で会社を辞めることを決め、自分らしく自由な人生を手に入れるためにSNSを使って起業したのに、SNSという「他人の目」に振り回される毎日になってしまっていたのです。
全て自分の選択だったはずなのに、その自分の行為がいっそう周りの評価を気にする自分を作ってしまい、人の目を基準にしてしか何かを選択できない自分になっていました。私は「自分がどう見られているか」という周りの評価を気にしすぎてバランスを崩してしまいました。
どんなに華やかな投稿も「一部分」でしかない
こういう状態は仕事でSNSを使う人以外でも思い当たる人がいるのではないでしょうか。これでは、周りに見せている自分とのバランスをとるどころか、24時間、周りに見せている自分で生きるようなものです。苦しくなって当然です。
「自分は投稿しないし見るだけだから」という人も、安心はできません。先日も、子育て中のクライアントさんが「SNSで見るママたちのキラキラした生活と自分を比べてしまう」と相談してくれました。
SNSでは、芸能人や有名人に限らず、いろんな人の私生活を垣間見ることができます。それをフォローしてチェックしている人も多いと思います。
他人のSNSを見ると、目に入るのは「仕事も充実、プライベートも完璧」な人ばかり……。しかし、その人たちにだって周りに見せていない自分があるはず。あなたと同じように人と比べて苦しんでいることもあるでしょう。
他人のある一部分を切り取った情報から「この人はこういう人なんだ」と思い込んでしまう気持ちも分かります。しかし、それは、たった1つの面を見ているのにすぎないのです。たとえば「今日はとても素晴らしい日だった」と投稿している人も、他の面では(たとえば家族の問題など)頭から離れないような問題を抱えているかもしれません。あるいは「営業は大好きで、得意です」と投稿している人も、本当はうまくいっていないのに虚栄心から言っていることもあるかもしれません。
こちら側から見えているのは、たった一部のことなのに、自分と他人のSNSを比べてしまい、自分を責めるのはやめましょう。自分には良いところがたくさんあるにもかかわらず、自分の良いところが見えなくなってしまい、うまく自分のことを自分で評価できなくなってしまいます。
週に一度はスマホを置いて活動する時間を作ることが、自分を取り戻す第一歩です。