他人と比較しすぎると「自分」がわからなくなる
こんなふうに人と比べて生きていると、本当に自分が欲しいものが何だったのか、よく分からなくなってしまいます。心から欲しいものなのか、それとも他人に勝ちたいから、ただ優越感を得たいから「欲しい」と勘違いしているだけなのか。
自分のやりたいことと他人のやりたいことの境界線が曖昧になり、よく考えずに、他人のやりたいことを「自分がやりたいこと」と思い込んでしまうケースもあります。このような「人と比べるくせ」は無意識に登場します。様々な局面で知らず知らずのうちに比べてしまっていることが多いのです。だから、なかなかやっかいです。
でも、それを手放せば、自分が本当に欲しいもの、やりたいことがはっきりします。自分が本当に欲しいもの、やりたいことなら、一瞬の幸せで終わりません。人の目も気にならなくなり、「これが自分の幸せだ~」という満たされた気持ちに浸れます。これこそが「自分サイズの幸せ」です。
業績の高い企業の社員に共通する「自己認識の精度」
「自分が周りからどんな人間だと思われているか?」をよく理解していることは、生きていく上でとても大切なスキルです。
こんなデータがあります。アメリカの経営コンサルティング会社コーン・フェリー・インターナショナルがアメリカの上場企業486社の株式業績を調査したところ、業績の高い企業は業績の低い企業よりも「自己認識の精度が高い従業員が多い」傾向にあったそうです。
「自己認識の精度が高い」とは「自分が周りからどんな人間だと思われているか」を理解しているということです。企業の業績を左右してしまうほど、「自分が周りからどんな人間だと思われているか」を理解することは大切なのですね。
しかし、「他人にどう見られているか」を気にしすぎることで、他人と比べることに重きをおいてしまうこともまた事実です。「他人にどう思われているか」を理解しながら自分の言動を整えるようなポジティブな影響なら良いのですが、過剰に気にしすぎると弊害になります。