問題解決力の基本となる「3つの力」

もし、「こういう状態でありたい」という理想があるのに、現状がそれとかけ離れているのであれば、両者を比べたとき、

「ギャップがある部分に問題がある」

と考えられます。

たとえば、いつもは10分で終わる仕事に20分かかっているなら、そこには何か問題が隠れていると考えられるわけです。

自分の体調が悪いから、などとわかっている場合もあるでしょう。逆に、仕事の遅れから、「今日はやけに電話対応をさせられている」と気づくかもしれません。つまり、電話対応してくれる人が他にいないことが問題です。

オフィスのデスクで電話対応する男性
写真=iStock.com/Dean Mitchell
※写真はイメージです

こうして理想と現実のギャップを見つけたら、次にするのは、

「どうやって、このギャップを埋めるか」

について検討することです。

他の人に電話を取ってもらうように声をかけるとか、電話が鳴っても無視して対応しないとか、いくつか手段を思いついたら、

「どの方法を選択するのか」
「どういう手順でやるのか」
「実際にどうやって実行していくのか」

を決めて、組み立てていくことになります。

つまり、「問題解決力」は、

①問題の本質を見極める力
②解決までのアクションプランを立てる力
③プランを実行する力

という3つの力で成り立っていることになるのです。

ここでは「①問題の本質を見極める力」「②解決までのアクションプランを立てる力」についてお話ししたいと思います。

「何が違う」のか、「どこが違う」のかを探る

たとえば、自社から発売した商品が売れなかったとき、その問題点を探るためにはどういった質問を投げかければいいのでしょうか。

ポイントは、「理想と現実のギャップ」を見つけ出すこと。

「売れている商品と、売れていない商品の違いはなんだろう?」

と問いかけてみるといいかもしれませんね。ようするに、

「この現実が、理想と違っているのはどの部分だろう?」

ということを探すのです。

この質問を、仕事や作業に合わせてうまくアレンジしてみてください。

いつもやっている作業なのに、今日はやけに時間がかかっていると感じたなら、

「今日の作業で、いつもと違うのはどの部分だろう?」

と、振り返ってみたらいいと思います。

これまでにも経験してきたよくある案件だと思っていたのに、取引先とのやりとりがどうにもうまくいかないときは、

「この案件が、想定していたものと異なる部分はどこだろう?」

と、検討してみてください。

ギャップのある部分に、問題が隠れている可能性があります。