仕事ができる人は何をしているか。プロコーチの林英利さんは「成長力を高めるには、経験した後に良い振り返りを行い、経験から得られた学びを『教訓』として概念化することが大切だ。人は書籍や研修以外の現場から、およそ7割を学んでいる」という――。
※本稿は、林英利『一瞬で自分を変えるセルフコーチング 最高の「気づき」を得る、自問自答の技術』(三笠書房)の一部を再編集したものです。
「経験から学び、次に活かす」サイクルを回す
学生の頃は当たり前に与えられてきた学ぶ機会が、社会人になっても用意されているかというと、必ずしもそうとはいえません。
企業によっては研修などが設けられているところもありますが、行なわれない企業も未だ少なくないでしょう。
また、研修があったとしても、その後の自分の将来、自分の成長について考えると、十分とはいえないケースも多いはずです。
では、どうすればいいのか。もっとも効果的かつ効率的で、経済的にも理にかなっている方法は、「毎日の仕事の中で学び、成長する」ことです。
アメリカの人事コンサルタントであるマイケル・ロンバルドは、
「人はおよそ70%を現場で学び、20%は観察学習や他者からの指導によって学び、残りの10%は研修や書籍から学ぶ」
と述べました。
「現場で学ぶ」とはどういうことか。
つまり、実際にやった仕事の経験から学ぶということです。
さらには、経験から得たことを次に活かすことが重要と考えられています。
経験から教訓を導き出し、次に活かしていくプロセスを理論化したものが、アメリカの組織行動学者デイビッド・コルブが提唱した「経験学習モデル」です。
ここでは、「経験学習モデル」のサイクルを自力で回して、自身の成長力を向上させていくセルフコーチングについて、お伝えしていきたいと思います)。