この“振り返り”が大事な学び、気づきを促す
いかに経験を学びに活かし、成長につなげていくか――。
それを考えていくとき、まずすべきは、その経験がいったいどういったものだったのかを振り返ることです。
つまり、
「この経験で得られたものはなんだろう?」
と、振り返る必要があります。
成長力を高めるための第一歩が、この自問自答です。
結果にかかわらず、この経験で何がわかったのか、何を知ったのか、何が得られたのかを明らかにしましょう。
実際のところ、一つの仕事が終わったあと、わざわざ振り返ってみるなど、やらない人も多いだろうと思います。
でも、結果だけを見て、「今回はうまくいったな」「今回はダメだったな」といった漠然とした感想だけで終わってしまったら、次に活かせるものはなかなか見つけられません。
仕事全体を通して得られたことでもいいですし、
「チームワークについて、どんな学びがあったか?」
「仕事の段取りに関して、何か気づきはあったか?」
「顧客との信頼関係はうまく築けていたか?」
など、質問の切り口を変えてみます。
すると、得た学びをより引き出しやすくなる場合もあります。
自分のやりやすい方法を探ってみてください。
「成長の種」を見つける自問自答法
さらに仕事の結果をふまえて、
「いい結果につながった要因はなんだろう?」
「うまくいかなかったことで、得られたことはなんだろう?」
と、考えてみます。
単純に○か×かという判断ではなく、たとえば合格点を80点と想定していたところ結果が70点だったとしたら、
「10点分うまくいかなかったことで、得られたことは何か?」
という点を探るのです。
つまり、エジソンがいうところの、「失敗ではない。うまくいかない1万通りの方法を発見したのだ」という考え方と同じです。
いいところにも、足りなかったところにもフォーカスして、成長につながる何かを見つけていきましょう。
会社員時代、新規事業に対して他部署の協力がうまく得られず、思うように進まなかったことがありました。
そこで、既存の商品をベースに新商品のコラージュをつくってまわりに見せてみると、これまで新商品に懐疑的だった人たちが、「こういうことをやりたかったのか!」と納得し、一気に協力者へと変わっていったのです。
この経験から、「やはり、ビジュアルで見せられるとわかりやすい」「既存商品をベースにしたことで、もともとその商品に関わっていた人たちの心証がよくなったようだ」と気づきました。
逆に考えると、うまくいかなかった原因は、商品のイメージをわかりやすく伝えられていなかったからです。
万事が順調にいく仕事などほとんどなく、一つの仕事を進める中で紆余曲折がありますよね。
それらを振り返ってみることで、得られる気づきもあるのです。