電話ボックス型カラオケボックス、そしてアプリへ…

同社では従来のカラオケボックスのほかに、公衆電話ボックスの倍ほどの「ミニカラオケボックス」を商業施設や映画館などの中に設置。「買い物や映画鑑賞のついでに歌いたい」というニーズに対応し、かつ無人化によって人件費を削減しています。

大型商業施設によく設置されているミニカラオケボックス
大型商業施設によく設置されているミニカラオケボックス(出所=『GAFAも学ぶ! 最先端のテック企業はいま何をしているのか』)

「カラオケを通じたコミュニケーションをいつでもどこでも、みんなと楽しめるよう追求する」を経営理念に掲げる北京小唱科技が、いまビジネスの軸足を置いているのは「チャンバ」という音楽コミュニティアプリです。

チャンバはカラオケという、もともとエンターテイメントだったものを、EXの視点から、時代に合ったエンターテイメントへと進化させた点に特徴があります。

「こっそり練習して上達したい」「自宅でもカラオケを楽しみたい」というニーズに合わせ、いつでもどこでも「ひとりカラオケ」を楽しめるように開発されたアプリがチャンバです。スマートフォンにチャンバのアプリをインストールすれば、いつでもどこでもひとりカラオケを楽しめます。

さらにBluetoothスピーカーつきのマイクがあれば、自宅でもカラオケボックスさながらの臨場感が体験できます。音漏れを気にする人や歌声を聞かれるのが恥ずかしい人にとっても、イヤホンマイクを使って、周囲に配慮しながら安心してカラオケを楽しむことができます。

なぜチャンバは中国人ユーザーに支持されるのか

チャンバには、ユーザーにカラオケを楽しんでもらうために歌声を盛り上げるエコーやリバーブなどのエフェクト機能が搭載されています。

また、自分の歌声をAIで美声にしたり、伴奏を高音質化できる課金プランもそろえており、誰でもプロ歌手になったかのような体験が得られます。ほかにもオンラインでのティーチングプランや、歌唱力をスコア化して定量的に成長をチェックできる機能など、ユーザー自身が「成長」を楽しめる工夫が随所に盛り込まれています。

ただ、「ひとりカラオケ」といっても、文字どおりひとりでカラオケを楽しむだけではありません。カラオケ体験を仲間と共有し、交流を深めるコミュニティ機能こそが、チャンバの大きな魅力です。

チャンバのアプリにはSNS機能があり、ユーザーはそれぞれ「部屋」をつくって自身の歌を投稿しています。その歌をミュージックビデオのような動画にして公開したり、歌っている様子をライブ配信して「中国版LINE」のWeChatで共有したりします。

自分の「部屋」にフォロワーがつくと、ユーザーは承認欲求をかきたてられてどんどん投稿を増やしていきます。

競争心をかきたて、承認欲求を満たしたくなる仕掛け

また、チャンバには地域別、作品別、歌手別など、歌唱力を競うチャートが無数にあります。GPSの位置情報をオンにしていれば「町内ランキング1位」と表示されたりと、競争心をかきたてられる仕組みが用意されています。

中には「○○小学校の卒業生で1位」などの「謎ランキング」もありますが、こういう豊富なチャート機能によってユーザーはついついアプリを開いてしまうようになります。