急速に悪化するロシアの財政

ロシア政府は昨年6月27日、外貨建て国債が不履行(デフォルト)に陥った。

正確には、ロシア政府は支払いの意思と能力を持っていたが、欧米が経済・金融制裁の一環としてロシアからの支払いの受け取りを拒否したため、外貨建て国債、うちそのほとんどを占める米ドルとユーロ建ての国債の支払いが不履行となったのである。

テレビ演説を行うプーチン大統領=2023年6月26日、モスクワ
写真=SPUTNIK/時事通信フォト
テレビ演説を行うプーチン大統領=2023年6月26日、モスクワ

一方で、ロシア政府は、ルーブル建て国債の発行を増やしている。デフォルトしたのはあくまで外貨建て国債であり、ルーブル建て国債は発行が可能なためだ。今年1~3月期時点におけるロシア政府の債務残高は名目GDP(国内総生産)の15.0%と、2四半期連続で増加したが、けん引役はそのルーブル建て国債(対内債務)である(図表1)。

【図表1】ロシア政府の債務残高
出所=ロシア財務省、ロシア統計局

1998年に起きた財政危機の際、ロシア政府は外貨建て国債の支払いを継続した一方、ルーブル建て国債の支払いを停止した。今回はその逆であり、ルーブル建て国債の支払いは継続している。そのため、ロシア政府は、国内の投資家向けにルーブル建て国債を発行することができる。