大勢の人にいちばん伝わりやすい日本語とはどんなものか。NHK放送文化研究所の「用語班」は、全国の放送局からのことばの問い合わせに答えている。その名回答をまとめた書籍『NHKが悩む日本語』(幻冬舎)より、一部を抜粋して紹介する――。(第2回)
謙譲語は2つの種類に分けられる
【暑い日が続いております】
Q.「暑い日が続いております」という言い方をよく耳にします。自分や自分側の人物に関する動作でもないのに、謙譲語の「おります」を使っても問題はないですか?
A.問題ありません。「おります」は、「いる」の謙譲語「おる」に、丁寧語の「ます」が付いたものです。自分の行動をへりくだって言う場合に使いますが、聞き手に対して丁重さを示す目的で使うこともあります。
Q.「暑い日が続いております」という言い方をよく耳にします。自分や自分側の人物に関する動作でもないのに、謙譲語の「おります」を使っても問題はないですか?
A.問題ありません。「おります」は、「いる」の謙譲語「おる」に、丁寧語の「ます」が付いたものです。自分の行動をへりくだって言う場合に使いますが、聞き手に対して丁重さを示す目的で使うこともあります。
謙譲語は、敬語を「尊敬語」「謙譲語」「丁寧語」と3つに分類する場合の一つとして、学校教育などでは、「動作主を低く待遇するもの」と教えられてきました。ただし、この謙譲語は、使い方によって2つに分類されます。『敬語の指針』(平成19[2007]年文化審議会答申)では、謙譲語を、「謙譲語I」と「謙譲語II」という2種類に分けて説明しています。
まず「謙譲語I」は、「自分側から相手側又は第三者に向かう行為・ものごとなどについて、その向かう先の人物を立てて述べるもの」で、「先生のところに伺いたいのですが……」「先生をご案内する」などと述べる場合の「伺う」「ご案内する」がこれに当たります。「行く」「案内する」の代わりに「伺う」「ご案内する」を使うことで、「先生」を立てる言い方になっています。