ビジネスの成否を左右する顧客インサイトはどのように探ればいいか。起業家の神山理子さんは「思い込みに囚われず、顧客の中では整理しきれていない複雑な感情を体系化して整理する必要がある。『理想の状態は何か』などの4項目を見ていくといいだろう」という――。

※本稿は、神山理子『女子大生、オナホを売る。』(実業之日本社)の一部を再編集したものです。

ソイプロテインのドリンクとバナナ
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ボイトレ教室を本当に探しているのは誰か

インサイトを発掘する前に、まず心に留めておくべきことがあります。

それはインサイト発掘において、“思い込み”が想像以上に障壁となるということです。

私が音楽メディアをグロースしていたときのお話をします。

私は、全国のボイストレーニング教室を紹介するメディアをやっていました。

グロースするためにメディアの方向性を検討する会議にて、「ボイストレーニング教室に通うか検討している人は、本当は何を求めているのか?(インサイト)」を定義し直すことにしました。

私以外のマーケターたちは、「ボイストレーニングに通うか検討している人たちは、異性との「出会い」を求めているに決まっている。これは検証の余地もないでしょう」という意見でした。

確かに、ネット上では「料理教室 出会い」といった検索数が多いため、「ユーザーは習い事に出会いを期待している」という可能性もあります。

しかし、私の身近にいる音楽が好きな人たちは、私が想像する範囲では、異性と出会うために音楽をやっているのではなく、本気で上達したいと考えている人ばかりなのです。

「私と他のマーケターでは、周囲にいる人の属性が違う可能性がある」

そう思い、私は単独でアンケートを実施しました。