ターゲット顧客の考えていることを占い師のように当てる

例えば、女性向けの新しいダイエット商品を開発するとすれば、図表1のような表になります。

この場合、ターゲット顧客の本当の悩みは「お米を食べながら痩せたい」なので、「お米を食べながら、糖質制限ダイエットを成功させる方法」があれば、ターゲット顧客の悩みが解決できます。

例えば、プロテイン入りのお米などです。

この欲求の構造について、表では端的にしか書いていませんが、実際にはもっと複雑な心の流れがあるはずです。

神山理子『女子大生、オナホを売る。』(実業之日本社)
神山理子『女子大生、オナホを売る。』(実業之日本社)

例えば、「その前に脂質制限ダイエットをしていたけど失敗してしまった。友達が糖質制限で痩せていたので、自分もそのほうが向いている気がした」といった事情があるかもしれません。

実際の商品開発には影響しなくても、ターゲット顧客の思考の流れはできるだけ深く汲み取るようにしましょう。

なぜなら、実際に商品ページを作るとき、ターゲット顧客へ訴求するためには、ターゲット顧客の考えていることを占い師のように当てていく必要があるからです。

いわゆる「自分ゴト化」させるということです。

こなれたワードを扱えるようになれるか

もっと言うならば、「ターゲット顧客のボキャブラリー(語彙ごい力)」も理解できるとさらに良いです。

ターゲット顧客と同じ語彙を用いることで、よりターゲット顧客の心に響きやすいからです(想像してみてください。あなたも他の業界の人と話すとき、慣れないワードを使われて、意識が逸れて話の内容が入ってこなくなったことがありませんか?)。

ちなみに、私がオナホユーザーのインサイトを書き起こしたときは図表2のようになりました。

実際にここまで落とし込むためにはたくさんの情報収集が必要になります。

自分がチャンスだと思った市場が、必ずしも自分がターゲット顧客層であるとは限らないので、その際にはユーザーインタビューを行っていきます。

一方で、自らがターゲット顧客層である市場では、比較的インサイトを汲みやすいでしょう。

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