モノが売れる構造とはどのようになっているか。起業家の神山理子さんは「相場が知られていないもの、強い欲求への解決策は高く売りやすい。私がマグロ漁船に乗った際にも、バナナしか食べられない偏食のパナマ人に、持参していた100円程度の『ソイジョイ バナナ味』を2000円で買わないかと持ちかけたところ、取引が成立した」という――。

※本稿は、神山理子『女子大生、オナホを売る。』(実業之日本社)の一部を再編集したものです。

勝浦漁港に入ってくるマグロ漁船
写真=iStock.com/Dane Gillett
※写真はイメージです

常識がなければ人の心を動かすものは作れない理由

コンセプト考案に必要なのは、「一般的な消費者感覚を踏まえた上で、これまでになかったことを創造する大喜利力」だと思います。

人はよくそれを「クリエイティブ力」と呼びます。

「一般的な消費者感覚を踏まえた上で」というのがミソで、「これまでになかったことを創造する」には「これまでにあったこと」を熟知している必要があります。

意図的にモラルを逸脱するにはモラルを知っている必要があるように、意図的に人を驚かせるにはどこまでが常識かを知らなければできません。

この世界で事業を作る上で、一般的な消費者感覚は無視できません。

毎日「人々が“良い”と感じているもの」や「そのとき流行しているもの」は、常に吸収できるように意識しましょう。

その上で、自分だけの独特な体験を持っていると、そこから学んだことが強みになります。

他者の体験からヒントを得るのもいいですが、やっぱり身を持って体験するのがおすすめです。

体験しないとわからない、自分だけの新たな発見が得られます。

私の例をいくつかご紹介します。

独特すぎて真似できないかもしれませんが(それが「強み」の特徴なので)、あなたが独特な体験をすることへの参考になれば幸いです。