「メガソーラーを建設するなんて非常識だ」

2019年10月12日、函南町田代にある太陽光発電施設の土砂が台風の影響で崩落しして以来、雨が降るたびに斜面を大量の雨水が滑り落ちているのを何人もの地元住民が目撃している。これらの「異常」から、太陽光発電所が原因であることはほぼ間違いないとみられている。

実はこの現場の南隣の集落、距離にして300メートルほどしか離れていない軽井沢かるいさわ区で敷地面積60.5ヘクタール(事業主のブルーキャピタルマネジメントのホームページより)規模の太陽光発電所建設計画があり、地元住民の激しい反対運動が起きているのだ。

伊豆半島の土質は、火山の噴火などで長年にわたって火山灰が堆積された火山灰土が特徴だ。また一帯は地下水が豊富で、半面、水が涸れてしまったり、逆に大量の湧水が発生することがある。1921年に丹那トンネルが崩落し、作業員33人が生き埋めになり、16人が死亡。24年、30年にも同様の事故が発生し、犠牲者は計67人にも及んだ。原因は大量の湧水だった。

このような地盤であることを地元の住民は誰もが知っているから、「伊豆半島にメガソーラーを建設するなんて非常識だ」と、あちこちで反対運動が起きているのである。

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写真=iStock.com/ognennaja
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日本の地方に進出する中国系メガソーラー

ちなみに崩落事故の原因となった疑いがある太陽光発電所は、カナディアン・ソーラー系の会社が組成したファンドによる運営だ。

カナディアン・ソーラーは2001年11月に創業した歴史が浅い会社ながら、2018年12月現在、モジュール生産能力は世界トップクラス。従業員は1万4000人を数え、東京都内にカナディアン・ソーラー・ジャパンがある。もっとも、本社はカナダにあるものの、現在(2021年9月)のCEOはショーン・クーという中国・北京生まれ、清華大卒のれっきとした中国人で、ある経済サイトのインタビューによると、創業時からの主要メンバーで実質上、中国系企業といっても過言ではない。

新宿区に本社があるカナディアン・ソーラー・ジャパンも代表取締役こそ日本人だが、取締役3人のうち2人は中国系と思われる名前だった。詳しくは『「脱炭素」が世界を救うの大嘘』(宝島社新書)でも紹介しているが、福島市でも中国の代表的な企業「上海電力」によるメガソーラー争奪戦が勃発している。

では今後、中国企業の日本の太陽光発電事業への影響力は強まっていくのだろうか。答えはイエスだ。