有害ゴミが不法投棄される「2040年問題」とは
仮に政府の方針がこのまま進めば、アメリカで禁輸もしくは制限された中国製の太陽光発電用パネルが日本に殺到することは目に見えている。日本はウイグル人の人権抑圧に間接的に手を貸すことになる。
国際再生可能エネルギー機関(IRENA)によると、太陽光発電能力は2020年、日本は世界3位であり、すでに平地面積1平方キロメートル当たりの発電量では主要国のなかで最大だ。
また、現時点で、20年後に燃やすことができない太陽光パネルが「廃棄物」として大量に出ることが予想される。鉛、セレン、カドミウムといった有害物質を含む大量のゴミが日本中のあちらこちらに不法投棄される様が目に浮かぶようだ。「2040年問題」ともいえる非常に由々しき事態が必ず訪れる。しかも中小・零細企業が多い太陽光発電事業者のなかに、廃棄費用まで負担できる企業がどれほどあるかは未知数で、多くは放置されたり、不法投棄されたりするのではないかと危惧されている。
経済産業省は2022年7月から、事前に廃棄に必要な費用を強制的に積み立てさせる制度を順次スタートさせたが、遅きに失したといわざるを得ない。
静岡県熱海市伊豆山の土石流の原因となったとみられる盛り土にしても、反対運動などが激しく、新設することが難しい管理型産業廃棄物処分場の代わりに、いかがわしいゴミがそこに棄てられていたとしか思えない実態があるのではないか。