2つ目のポイントは叱り方です。女性がよく悩むのが、年上の部下の叱るときの方法です。叱りにくいから叱らないでいると、チームを率いる力不足ということになりますし、かといって不用意に叱ると、プライドを傷付けられて素直に指摘を受けいれてくれません。

年上の部下には、最初に言い訳を聞いてあげてから指示するようにしましょう。相手がしたミスの原因を説明させるのです。そのうえで、「この点はこうしてください」と明確に指示を与えます。

3つ目のポイントは話し方です。せっかく仕事の能力があるのに、話し方で損をしている女性は多いものです。内容はよくても、小さな声で早口だと自信がなさそうに聞こえ、不安を感じさせたり信用されなかったりします。

低めの声で、大きな声で話すようにしましょう。低めの声のほうが聞き取りやすく、安定感があるので落ち着いて聞こえます。また、大きな声で話すと、相手に与える影響力も大きくなり、自分自身を励ますこともできて気持ちが乗ってきます。置きをしないで明確に自分の考えを伝えることも大切です。「A案でもいいかとは思うのですが、たぶんB案のほうがよいのではないかと……」などと、余計な前置きをしたり、語尾をはっきりさせずに話したりすると、自信がなさそうに聞こえます。前置きが長いと、結論がはっきりしなくなり、相手に与えるインパクトも弱まってしまいます。

「いくつかの調査結果も同じ傾向を示していますので、この方法で進めたいと思います」など、客観的な根拠を示しつつ、断定的な言い方で自信を示しましょう。

そして、普段から大きな声で笑い、大きな声で挨拶をしてください。リーダーに必要なのは、空気を読むことではなく、空気をつくること。チームづくりは雰囲気づくりです。

周りとの摩擦を避ける能力が高いのは、女性の持つよさでもあります。ただ、そのために会社の中で「優秀な助手」を目指す人が多いのはもったいないことです。判断力を磨いて上手にアピールし、ぜひ、リーダーとして力を発揮してください。

※すべて雑誌掲載当時

(構成=大井明子)
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