沈黙が必要な「身体感覚Kタイプ」

VAKモデルで身体感覚(Kinesthetic)が優位なKタイプは、物事を頭ではなく身体で感じ、比較的低めの声でゆっくり話します。

私の分析では、お笑いコンビ南海キャンディーズのしずちゃんは、Kタイプです。

目を下に向けゆっくり話されることが多いです。のちにボクシングを始められたのも、身体を動かして技術を習得するのが得意なタイプだからではと感じました。

Kタイプは質問しても、答えるまで長めの沈黙があることが多いのが特徴です。

では、なぜ答えるのに時間がかかるのでしょうか?

私はよく、セミナーで参加者に「砂糖の甘さを砂糖がない国の人に説明するならどう伝えますか?」と質問します。すると皆さんは、考え込んだ後「フルーツやハチミツなど、その国にある甘いものに似ていると説明する」と答えてくれます。

このように甘さなど身体で感じていることを言葉にするのは難しいのです。砂糖の甘さを理解するためには、実際に砂糖を舐めて味わうしかありません。

このように体で感じていること言葉にするのは難しいので、Kタイプは思ったことをすぐに言葉にできず、即答が苦手なのです。

以前の職場で、上司がKタイプの人の部下に矢継ぎ早に質問し、相手がすぐに答えないと、説明が足りないと思って、さらに話し続けるということをしていました。

しかし、Kタイプは、早口で多くのことを話されると情報処理が追いつかないので、言葉が出てくるまで待つことが重要です。

Kタイプにはゆっくりとしたペースの相槌や言葉がけが大切です。

藤本梨恵子『なぜか感じがいい人の聞き方 100の習慣』(明日香出版社)
藤本梨恵子『なぜか感じがいい人の聞き方 100の習慣』(明日香出版社)

また、沈黙も待ってあげることで相手の理解が進みます。さらにビジネスなら試食や試乗など、触ったり感覚として体験できるような提案が有効です。

Kタイプの人が話を聞く際には、早口の人に合わせて早く相槌などを打つと、相手が何を話しているかわからなくなることが多いです。

無理にスピードを相手に合わせるのではなく、相手が一番言いたいことは何かということに意識を合わせて、じっくり聞いていく方が、結果的に相手から好印象を持ってもらえます。

Kタイプには、矢継ぎ早に質問しない!
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