※本稿は、藤本梨恵子『なぜか感じがいい人の聞き方 100の習慣』(明日香出版社)の一部を再編集したものです。
むやみに敵を作らない「聞き上手」が無敵である理由
『えんとつ町のプペル』の作者、お笑い芸人で絵本作家の西野亮廣さんは、自社で社員を採用するときは、「受け(聞き方)がうまい人」を採用するそうです。
聞き上手な人の方が配慮ができるので、大勢で共同作業を行う現場では雰囲気も明るくなり、他の社員も働きやすくなるからです。
西野さんが芸人だということで、中にはボケを連発して話してくる人もいるそうですが、そういう人は不採用にするそうです。なぜなら、プロの芸人相手にボケ続ける人は、筋が悪い(=空気を読めない)からです。
聞き方は、柔道で言えば受け身です。私は柔道初段ですが、柔道で初めに習うのは受け身です。いくら華麗な投げ技を習得しても、受け身ができなければ、投げられたときに大怪我をします。
反対に、受け身ができればどんな強い相手と試合をしても怪我をすることはありません。うまい受け身は、一本負けの判定をもらうことが少ないので、勝負強さにつながります。
同様に、会話で話し方にばかりに囚われる人は大怪我をします。聞き方という受け身ができなければ、相手のタイプや話題に合わせられず、相手の気分を損ねて会話も盛り上がらないからです。
無敵の人間関係は、誰にも負けないような口達者になることではなく、むやみに敵を作らない聞き上手になることで、手に入れられます。
マネジメントの父、ピーター・ドラッカーは「多くの人は話し上手だから人間関係は得意だと思っている。対人関係のポイントが聞く力にあることを知らない」と言っています。
聞く力の影響力は絶大なのです。ある小学校では、子どもたちに聞く力の基本を、「聞き方のあいうえお」という頭文字でシンプルに伝えています。
い……いい(良い)姿勢で
う……うなずきながら
え……笑顔で
お……終わりまで聞く
次に、大人にとっても大切なこの「聞き方のあいうえお」について詳しくお伝えします。
聞き上手は無敵!