自分の利き感覚を知る

先ほどご紹介したVAKモデルでは次の4つを観察することで、相手がどのような方法で脳内の情報にアクセスしているか知ることができます。

① 目の動き ② 呼吸 ③ 声のトーンやスピード ④ 姿勢

あなたの利き感覚は視覚(Visual)、聴覚(Auditory)、身体感覚(Kinesthetic)の3つのうちどれにあてはまるでしょうか? ここで1つワークとして、VAKモデルの図で利き感覚のファーストチェックをしてみましょう。

目を閉じて「海」という言葉を聞くと、どんな五感が刺激されますか?

海の美しい日の出
写真=iStock.com/guvendemir
※写真はイメージです
① 砂浜やビーチで遊ぶ人たちなど……視覚Vタイプ
② カモメの声や波の音など……聴覚Aタイプ
③ 海の水の冷たさや、日差しの強さなど……身体感覚Kタイプ

右利きでも、左手がまったく使えないわけではないように、最終的には視覚・聴覚・身体感覚すべての五感を使って海をイメージするのですが、一番に浮かんできたものや、強く感じたものが優位感覚である可能性が高いです。

自分の利き感覚をチェックしよう!

早口で話が飛ぶ「視覚Vタイプ」

VAKモデルで視覚(Visual)が優位なVタイプは、頭の中で物事を映像で処理します。だから頭に思い浮かべる大量の視覚情報を相手に一気に伝えようと早口で話します。

私の分析では、タレントの明石家さんまさんはVタイプです。早口で視線が上向き、上体が反りぎみになり、高めの声で話します。頭の回転が速く、何かを考えるときは、視線が上の方を向いています。

Vタイプの人は、本でもパワーポイントでも文字だけのものより、イラストや写真、図などビジュアルがあるものを好みます。

レストランのメニューも、美味しそうな写真が決め手となり注文します。服などを買うときもデザインを重視することが多く、デザイン重視で買ったサンダルが、足に合わなくて履けないなんてこともあります。

Vタイプは早口なので、Vタイプの人の話を聞くときは相槌をテンポ良く打つこと、「この問題をどう見てますか?」などビジュアルをイメージさせる言葉を使うと、会話が盛り上がります。

頭の中の映像が次々に切り替わるために話が飛びやすいので、不明点は「こんな感じですか?」と自分のイメージと相違がないか確認すると良いでしょう。

また、何かを説明するときは、図や写真を見せながら説明するのが効果的です。文字ばかりで説明するより素早く理解してもらうことができます。

見晴らしが良い空間で話すと、Vタイプの人の気分が良くなり会話が弾みます。反対に、薄汚れたお店に誘うとテンションが下がってしまうので注意しましょう。

逆に、Vタイプの人が他のタイプの話を聞く際は、相槌が早くなりがちです。Kタイプなどの沈黙が長かったり、ゆっくり話すタイプには、ゆっくりと話したり、相槌を打つ工夫が必要です。

また、頭の回転が速いのも特徴ですが、相手の話を少し聞いただけで「はい、はい、こういうことね」とわかったつもりになってしまわないようにしましょう。

Vタイプには、ビジュアルに配慮した会話をしよう!