つまり、100万円を繰り上げ返済したことで、確実に約47万円儲かるということです。

年金生活の中でローン返済をしていくのは辛い。ですから、お金があったらなるべくローンの返済期間を短くして、年金をもらう年齢になるまでには、住宅ローンを返済してしまいましょう。

住宅ローンを早く完済できれば老後資金が貯められる

人生で、お金に関する大きな出費の山は3つあります。それは、「家を買う時」「子供の教育費」「老後のお金」です。

そして、この3つの山は、順番に乗り越えていかなくてはいけません。

最初に「老後のお金」のことを考えて個人年金に加入し、毎月保険料を支払うと、その分貯金ができなくなるので、「家を買う時」の頭金をたっぷり貯めることができません。

頭金が貯められないと住宅ローンをたくさん組まなくてはならないということになります。

たとえば先の「2000万円借りる場合」だと、35年で返す月々の返済額は6万6252円。同じ月々6万6252円を返すのにも、もし頭金が500万円あれば、ローンは24年ですみます。

30歳で35年ローンを組んだとすれば、65歳まで返済が続きますが、500万円頭金があれば、54歳になると住宅ローンの返済が終わります。そこから、今まで支払っていたローンの6万5622円を貯金に回せば、65歳までに約900万円の貯金ができます。

「子供の教育費」についても、ある程度まで早めに準備しておけば、教育ローンにそれほど頼らなくてもよくなるかもしれません。

荻原博子『知らないと大損する老後の「お金」の裏ワザ』(SB新書)
荻原博子『知らないと大損する老後の「お金」の裏ワザ』(SB新書)

目標は、50歳で住宅ローンや教育ローンがなくなっていること。その頃には子供の手も離れて奥さんも働けるようになっているでしょうから、そこから2人で貯金していけば、老後は安泰と言っても過言ではないでしょう。

50歳ですべてのローンをなくすというのは大変かもしれないので、55歳でも60歳でもいいのです。まずは、早めにローンをなくし、貯金ができる家計にしておくことです。

大切なのは、今から個人年金を始めるよりも、目の前の住宅ローンなどの借金を早く返してしまうこと。

遠い先の老後のために個人年金に加入する前に、目の前にある借金を減らし、さらに現金を貯めていけば、確実に安心な老後になります。

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