今、持ち家を買うなら何に気をつけるべきか。経済ジャーナリストの荻原博子さんは「持ち家で借り入れする住宅ローンは固定金利が正解だ。低金利の中では、将来、金利が上がっていく可能性があり家計が苦しくなるかもしれない」という――。
※本稿は、荻原博子『知らないと大損する老後の「お金」の裏ワザ』(SB新書)の一部を再編集したものです。
「家を買う」があたりまえではなくなってきた
ひと昔前までは、「家は買う」というのがあたりまえのように言われていました。社会人になって結婚したら、家を買って一国一城の主になれば一人前で、持ち家かどうかで社会的な信用まで違うという時代が長く続きました。
当時は、家が個人にとっては最大の資産だと言っても過言ではなかったのです。
けれど、時代は大きく変わりました。家が資産ではなくなりつつあり、一人っ子と一人っ子が結婚すると、家が1つ余る時代になったのです。
東京でさえ、10軒に1軒は空き家となっています。しかも日本では、高度成長期からマンションが建てられてきたことで、老朽化したマンションが急激に増えています。そしてこうしたマンションが、建て替えられない状況にあり問題となっています。
都心の一等地なら、まだ住みたいという人もたくさんいるでしょうが、郊外になれば、二束三文になってしまった中古マンションがゴロゴロあります。
一方、賃貸は、昔に比べて質が高くなっています。住環境も良くなっていて、水洗トイレや冷暖房エアコンがついているのはあたりまえ。中には照明器具や電子レンジ、家具などが備え付けのものもあります。