住宅ローンはできる限り長期ローンを組まない
住宅ローンは、長く借りるほど、月々の支払額は少なくなりますが、トータルで支払う額は大きくなります。ここでは35歳の方がローンを借りる一般的なケースで試算してみましょう。
10年返済だと月々の返済額は18万4026円
20年返済だと月々の返済額は10万1176円
30年返済だと月々の返済額は7万3923円
35年返済だと月々の返済額は6万6252円
ローンを払い終わるまでの利息の総額
10年返済だと返す利息の総額は、208万3178円
20年返済だと返す利息の総額は、428万2300円
30年返済だと返す利息の総額は、661万2480円
35年返済だと返す利息の総額は、782万5861円
ここでは、2%という低い金額で計算していますが、金利が上がると利息の総額も上がり、総返済額はもっと大きくなります。
長期で借りれば、月々の返済額は低くなります。ですから、「35年返済なら月々6万6252円。家賃よりも安いですよ」などと言われると、そうした言葉に乗ってしまいやすい。けれど、まず、そこでご自身の年齢を考えてください。
35歳の方が35年ローンを借りると、返済が終わる時は70歳。65歳から年金生活が始まると、その中で住宅ローンを払い続けていくのは大変です。
住宅ローンといえども、借金ですから、なるべく早く返すことが、老後の負担を減らす秘訣です。ローンを払い終えれば、ローンのお金を貯蓄に回すことができます。
繰り上げ返済は確実に儲かる
すでにローンを借りている人は、どんどん繰り上げ返済をしましょう。
住宅ローンなどの金利が低いローンでも、長期にわたるものは、なるべく早く返してしまうべきです。
たとえば、手元に100万円あったとします。この100万円を投資に回せば、120万円になるかもしれませんが、投資には目減りリスクもあるので、80万円になってしまうかもしれません。一方、借金の返済に使えば、確実に未来は明るくなります。
仮に、35歳で3000万円の住宅ローンを、金利2%、35年ローンで借りた方がいたとします。この場合、35年間に支払う利息は約1000万円になります。
もしこの方が、50歳で、手元にある100万円を、住宅ローンの繰り上げ返済に回したとしたらどうでしょう。
住宅ローンの繰り上げ返済は、「返済期間を短くする方法」と「返済額を下げる方法」がありますが、「返済期間を短くする方法」だと、100万円を繰り上げ返済したことで、支払わなくてはならない利息が約47万円も減ります。期間で見ると、70歳ではなく68歳8カ月でローンは終了します。