持ち家と賃貸、いまはどちらを選ぶのがいいのか。経済ジャーナリストの荻原博子さんは「いまは焦って買わないほうがいい。持ち家は資産どころかお荷物になるリスクが高い。同じ毎月10万円でも家賃と住宅ローンではまったく違う」という――。

※本稿は、荻原博子『買うと一生バカを見る投資信託』(宝島社新書)の一部を再編集したものです。

マイホーム
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家を持つこと自体がリスクになる時代

家を買うか買わないかの判断は、どうしていますか。自分の城としての家が欲しい人や、ペットと自由に暮らしたい人は買ってもよい。しかし、購入を迷っているのなら、無理に買う必要はありません。

老後は仕事の縛りがなくなるので、両親と一緒に暮らすかもしれないし(税金の特例が使える場合がある。本書参照)、どこか地方に住み替えるかもしれません。また、高齢になると高齢者住宅や老人ホームに入居する選択肢もあります。

ところが、家を購入してしまうと住む場所が固定されてしまうので、身軽でいられなくなってしまいます。

家を買い、何かあった場合には売ろうと思っても、新築で買うと1日住んだだけでも中古物件になります。新築を3000万円で買ってすぐに売ったとしたら、立地にもよりますが、価格はおおよそ4割程度落ちるといわれているので、1800万円くらいでしか売れないと思ったほうがいいでしょう。

中古となった家を売ってもローンだけが残るという事態になりかねません。

マンションは「冷蔵庫やテレビ」と同じ

「家は資産になる」といまだに思っている人がいますが、現代の家は資産どころか“お荷物”になる可能性が高いのです。国土交通省のデータによると、築30年以上のマンションが約250万戸(2021年末時点)あり、その10年後の2031年には約425万戸に増えると予想されています。

マンションは築40〜50年になると、壁が落ちたり、鉄筋が爆裂するなど、老朽化の弊害が出てくるので売り物にならないケースが多い。ならば建て替えたいと思っても、住人の経済状況がまちまちで、資金的にかなりハードルが高く困難です。

特に老朽化しやすいマンションは、資産ではなく、冷蔵庫やテレビなどと同じ耐久消費財と考えたほうがよいでしょう。

例えば、20万円で買った冷蔵庫を10年使うと、1年でかかるコストは2万円。あなたのマンションも同様に計算してみましょう。

テレビや冷蔵庫は古くなったものはお金を出して自治体や専門業者に捨ててもらうシステムですが、そのうちマンションもお金を出して誰かに引き取ってもらうような時代になってくると思います。