不動産価格が右肩上がりの時代はもう来ない

住宅情報誌などでは、家の「資産価値」が重要視されていますが、投資目的で不動産を購入するのはやめてください。

最近、「サラリーマン大家さん」という投資の方法が注目を浴びました。サラリーマンがローンを組んで賃貸物件を買い、家賃収入という不労所得を得るというものですが、銀行から多額の資金を借りて購入しても、うまく運用できずにローンを返済できなくなるケースがニュースになっています。

不動産投資は「空室になる」「老朽化する」という他の金融資産にはない大きなリスクがあるので、素人が手を出すのはやめたほうがよいです。

日本はほとんど地価が上がらず、人口もこれから減っていくのは周知の事実。2025年には本格的に東京都も人口が減っていくモードになるという都の予想もあり、しかも、コロナ禍でリモートワークが可能になった会社も増えています。

この先、バブル時代のように不動産価格が右肩上がりで上がる時代がやってくることはなく、ますます不動産余りの状態になってきています。

家が欲しい人は築浅の中古物件が吉

「家を持てば家賃を払わずに済むから老後も安心」と考える人は、「家は資産にはならない時代だ」と認識したうえで物件を選びましょう。

限定的で狭い範囲のみ(東京なら山手線内のエリアのみ)不動産価格は下がらないかもしれませんが、それ以外の地域の不動産は下がる可能性が高いです。

前述した通り、3000万円の新築物件が1日住んだだけで中古となり1800万円になるのなら、最初から1800万円の中古を選びましょう。1800万円の中古物件なら、多少価格が落ちても新築ほどの大きな下落幅にはなりません。

築25年の中古マンションが2000万円で売りに出ていて、「安い!」と思ったとしても、よく考えてください。マンションの寿命を40年と考えたときに、築25年だとあと15年。15年暮らすのに2000万円払うとすると、年間約133万円、月に約11万円の負担となり、「それほど安くない」と判断できるはず。

マンションの寿命を40年と考えると、築20年ならあと20年、築30年ならあと10年住めると考えて年間いくら払うことになるのかを計算してみましょう。

実際にはマンションの寿命は40年以上あると思いますが、築年数が経つほど修繕も必要になるため、ここは計算上の寿命として40年を使いました。

そう考えると、買うなら築浅で割安になって出てきた中古物件がいちばんよいでしょう。しかし新築後、短期間で売りに出されるマンションは何か別な問題があるのかもしれないので、そこは要注意です。