細野豪志(ほその・ごうし)
1971年、京都府生まれ。京都大学法学部卒業後、三和総合研究所(現三菱UFJリサーチ&コンサルティング)研究員を経て、2000年に衆議院議員初当選。幹事長代理、内閣総理大臣補佐官を経て、11年6月より内閣府特命担当大臣。同年9月より現職。
この方といえば「路上キス」。6年前、週刊誌にすっぱ抜かれた女性タレントとのキスシーンが印象に残る。芸能人顔負けの不倫騒動だが、その後も当選を続け、現在に至る。本人は「信頼を取り戻すべく国政に全力を注ぐ」と深く反省。今年41歳という若さだが、その後「いたずら」が報じられることもなく、すっかり民主党の顔の一人だ。
スキャンダルの穴を埋めるかのように、その仕事ぶりは凄まじい。特に、去年6月に原子力担当相に就任してからは獅子奮迅の働きぶりだ。京大法学部出身の秀才で理解力も早く、エリート官僚と肌が合う。世渡りもうまい。民主党では、2009年、小沢幹事長時代に党組織委員長、次の菅執行部では幹事長代理、11年には菅内閣補佐官に起用された。「小沢か反小沢か」で揺れる中、うまく階段を上ってきた。
秀才かつ小器用。だからこそ、「できないと思う人」には厳しい。周囲からは「だれもが同じようにできるわけではない」という愚痴も聞こえる。しかし、エリート官僚には「宰相の器」と持ち上げる輩も出てきた。これは危険信号だ。「使いやすい」と同じ意味。
6月、改正原子力基本法が成立したが、いつの間にか「我が国の安全保障に資する」という目的が追加された。担当大臣の細野氏は「平和目的は堅持」と言うが、納得できる十分な説明がない。「核兵器開発への道を開く」という指摘はもちろん、わずか4日の審議で国民の目の届かないうちに潜り込ませたという批判は免れない。こういう不可解な役所体質と闘ってこそ、ニューリーダーではないか。
政界も人材不足で早くも総理候補だ。
「本人も意識している」と近い議員は語る。ならば国家観を表現せよ。国民の切なる願いだ。