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日産自動車社長兼CEO Carlos Ghosn(カルロス・ゴーン)
1954年、ブラジル生まれ。78年エコール・デ・ミーヌ卒業後、ミシュラン入社。85年ブラジル・ミシュラン社長。90年北米ミシュランCEO。96年ルノー上級副社長。99年日産COOに就任。2001年日産CEO。05年からルノー会長と日産CEOを兼務。


 

ゴーン社長の役員報酬が日本の上場企業の現役トップとして3年連続で最高額になった。2010年3月期決算から、上場企業で1億円以上の役員報酬が開示されることになったが、6月26日に開かれた日産の株主総会で公表されたゴーン社長の報酬額は9億8700万円。前年の9億8200万円から500万円アップした。

「日本のみなさんには馴染みがないから衝撃的かもしれない」と、自身が述べているように、日本人の経営者とは比較にならない破格の報酬額である。例えば、12年3月期の最終利益で日産に抜かれたトヨタ自動車の場合、取締役27人分の総報酬額は9億7200万円。ゴーン社長1人でトヨタの全役員の報酬を上回ることになる。しかもトヨタで1億円を突破したのは張富士夫会長(1億4400万円)と豊田章男社長(1億3600万円)の2人だけ。これに対して日産はゴーン社長を筆頭に、志賀俊之COO(1億5300万円)ら取締役9人のうち、6人が“1億円プレーヤー”だ。

ゴーン社長は自身を含む日産幹部の高額報酬を「恥じることはない」としたうえで、「自動車産業はサバイバル競争に突入しており、グローバル企業は世界基準で報酬を払う必要がある」と強調。7月1日には独アウディ米国法人社長を引き抜き、高級車ブランド、インフィニティ部門担当の常務執行役員に据えたが、「日本のルールでは、ノーと言われたと思うし、報酬が低ければ私が採用したい人たちを採用できなくなる」と指摘した。高額な役員報酬は大リーグのイチロー選手を獲得するのと同じように「優秀な人材をヘッドハントする手段」と割り切る。日本の経営者が“滅私奉公”の精神を捨てない限り、ゴーン社長の報酬を超えることはないだろう。

(写真=PANA)
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