「流山の恩人」が気にかけていること
「つくばエクスプレスの開通で東京が近くなったところで、『母になるなら、流山市。』と子育て世代を誘致したのはいい着想だと思います。ただ流山市には安心して子供を産める場所が少ない。命を守れる街にならなければ、本物のヘソができたとは言えないでしょう」
流山を音読みすると「りゅうざん」になる。「縁起が悪い」と近隣の柏市などで出産する人も少なくない。そんな事情もあって市内には大規模な産婦人科がない。
「東京の人も茨城の人も安心して子供を産みに来られる街になった時、流山市は本当の意味で『母になるなら、我が街で』と胸を張れるのではないでしょうか」
そう語る95歳の御隠居の顔つきは、すっかり「市長」に戻っていた。