採用選考の1次・2次面接ではオンライン面接が既に定番化している。選考結果に影響はあるのか。転職エージェントの森本千賀子さんは「対面なら問題なく選考通過できる人でも、オンライン面接でつまずくケースがある」という――。
オンライン面接をする女性
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1~3月は採用が活発化する

2022年、中途採用市場は活発に動きました。およそ30年間、人材ビジネスに携わってきた私から見ても、かつてない活況ぶりです。

社会環境がコロナ禍以前に戻りつつあり、インバウンド需要も回復へ。DX(デジタルトランスフォーメーション)推進も引き続き活発です。また、SDGsの観点から「女性活躍推進」もいっそう加速しそうです。2023年も転職チャンスは多いと期待できます。

企業の採用活動は、時期を選ばない「通年採用」が多くなっていますが、もともと1月~3月は1年の中でもっとも採用活動が活発化する時期です。

4月からスタートする新年度の体制整備に向けた求人が出てくるほか、年度末には退職や派遣契約満了などが増え、欠員補充のニーズも出てくるためです。

選択肢が比較的多いという点で、転職活動に適した時期といえるでしょう。

オンライン面接ではまりやすい落とし穴

多くの企業が「テレワーク」から「出社」に戻しつつありますが、採用面接に関しては「オンライン面接」が定番化しています。最終面接は対面でも、1次~2次面接はオンラインで行われるケースが多いのです。

そして、対面面接であれば問題なく採用されていた可能性が高い方が、オンライン面接ならではの「落とし穴」にはまり、チャンスを逃してしまうことがあります。

ありがちな失敗パターンをご紹介しましょう。

パターン①面接準備の時間が足りない

あるベンチャー企業に応募したところ、書類選考を無事通過。1次面接はオンラインで行うとのことで、日程候補の連絡がきた。1~2週間後の面接を想定していたけれど、企業から「今週中ではどうか」との打診が……。テレワーク中で時間には融通が利くため、断りづらく、企業側の希望どおり3日後の面接を承諾。企業研究や受け答えの準備の時間を十分にとれないまま面接本番を迎えてしまった。
<失敗を防ぐためのポイント>

面接日時の設定は、対面が中心の頃には「1~2週間後以降」が一般的でした。ところが、オンライン面接の場合は「明日」「あさって」なども候補に含めて打診されるケースが増えています。採用を急いでいる企業であれば、早いタイミングで面接を受けた人が早々に内定を得て選考が打ち切りになることも……。

オンライン化により選考スピードが上がり、選考期間が短縮されていることを踏まえ、転職活動のスケジュールを組むことが大切です。特に面接準備は早めに進めておきましょう。