面接で「転職を考えた理由」を聞かれたら、どう答えればいいのか。転職エージェントの森本千賀子さんは「『今の職場に不満がある』といったネガティブな理由でも隠す必要はない。しかし、採用担当者がそれをどう受け止めるかを予測し、懸念を払拭する答え方や追加情報を話すようにした方がいい」という――。
カジュアルなスタイルで面接に臨む女性
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採用面接で必ず聞かれる「転職の理由」

採用面接で、必ず聞かれる質問の一つが「なぜ転職しようと思ったのか」です。採用担当者が転職理由を確認する目的は、次の点を見極めるためです。

「うちの会社に入社しても、また同じ理由で辞めることにならないか」
「この人の希望は、うちの会社で実現できるのか」

つまり応募者は、採用担当者のこうした懸念を払拭するような答え方を心がける必要があります。今回は答え方のポイントをお伝えしますが、まずは、よくある転職理由をそのまま伝えた場合、相手にどう捉えられる可能性があるかを知っておきましょう。

●「上司や同僚と合わない」「職場の人間関係が良くない」
採用担当者はこう受け止める

「人間関係の悩みはどんな会社にいても抱えるもの。この人はうちの会社に入っても、人間関係がうまくいかなければ辞めてしまうのでは?」
「人間関係がうまくいかないのは、この人の側に問題があるのでは?」

人間関係はコミュニケーションの工夫によって改善を図れるものだけに、その努力をせずに辞めようとしていると捉えられる可能性があります。「人間関係」に不具合を感じている場合は、「価値観が異なる」「カルチャーになじめない」「(仕事の進め方など)方針が合わない」といった表現をしたほうが納得されやすいでしょう。

●「残業が多くてつらい」「上司からのパワハラがひどい」

採用担当者はこう受け止める
「その程度でつらいと感じるなら、うちの会社では務まらないかもしれない」

これらの理由は、「程度」がポイントになります。「残業量はどのくらい?」「パワハラとはどんな内容?」と、くわしく聞かれたとき、その回答に対して相手が「それはつらかっただろう」と共感できるかどうかで印象が左右されます。例えば「残業時間が毎月100時間以上」であれば「それはつらいだろう」と思われるでしょうし、「1~2時間程度の残業が週2~3日」であれば「それくらいは許容範囲では」と思われる可能性が高いでしょう。

ですから、正直に事実を伝えて納得を得られるかどうは、人や応募先企業によります。