●「やりたい仕事ができない」「異動希望がかなわない」
採用担当者はこう受け止める

「やりたい仕事を希望する以前に、今の自分の役割は果たせているのか?」
「あなたには、その仕事を担える能力が足りないと思われているのでは?」

これらを転職理由として挙げる場合は、今の仕事への取り組み姿勢や成果をしっかりと伝えたうえで、「その仕事がしたい理由」「異動できない事情(人事制度や組織編成の都合など)」も語れるようにするといいでしょう。

●「会社の業績が悪く、先行きが不安」
採用担当者はこう受け止める

「業績立て直しのため、あなたは何をしたのか?」

リーダーやマネジャーのポジションに就いている方であれば、業績アップを図るため、どのような戦略や施策を立てて行動したかが問われる可能性があります。

●「コロナ禍が落ち着き、テレワークから出社に戻った。これからもテレワークを続けたい」
採用担当者はこう受け止める

「なぜテレワークがしたいの? 通勤がなくて楽だから?」
「うちの会社も、状況によってはいずれ出社に切り替える可能性があるが……」

これは最近多く見られる退職理由です。「育児や介護と仕事を両立させたいから」など、納得を得やすい理由があればいいのですが、そうではない場合、テレワークを希望する理由に疑念を持たれがちです。自分にとってテレワークが「生産性が上がる働き方」であることを説明できるようにしておくことが大切です。

「現職への不満」だけに終わらせない

上記を踏まえ、転職理由を語る際のポイントをお伝えします。

●相手の納得を得られそうな状況であれば、正直に伝える

現在の会社で苦痛を感じている場合、応募先の面接で伝えたときに「確かにつらそうだ」「そんな状況であれば辞めたいと思うのも無理はない」と思ってもらえるような状況であれば、正直に話しても構いません。

「ネガティブな印象を与えたくない」と思って変にごまかしたりすると、相手は違和感を抱くものです。「都合の悪いことを隠しているのではないか」と不信感を抱かれてしまうこともあります。

●「他責」にせず、自分はどんな努力をしたかを語れるようにしておく

辞めたい理由を語ったとき、「会社が悪い」「上司が悪い」というトーンで語らないよう注意が必要です。企業は「他責」傾向の人を評価しません。たとえ会社や上司に非があるのが事実だとしても、自身が状況改善のためにどんな工夫や行動をしていたのかも語れるようにしておくといいでしょう。

面接をしながら、履歴書を確認するマネジャー
写真=iStock.com/Wasan Tita
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