●「今後のビジョン」もセットで伝える
転職理由を聞かれたとき、正直に現在抱えている「不満」を語っても問題はありません。転職活動をする人は、少なからず不満を抱いているものだと、採用担当者も承知しています。
しかし、「目先の不満を解消したい」「とにかく現状から逃げたい」という理由だけで転職活動をし、面接に臨んでもうまくはいきません。転職を考えたきっかけは不満であっても、それを機に、今後の自身のキャリアを真剣に考えることが重要です。
不満を語るだけで終わらず、「これから○○がしたい」「こんな経験を積みたい」「こんな自分になりたい」という目標やビジョンもセットで語れるようにしておきましょう。
「○○への不満から転職を決意し、これを機に改めて自分がやりたいこと、目指したいことをじっくり考えました。結果、○○のスキルを磨きたいと考え、それを実現できそうな御社を志望しました」
――このようなストーリー構成で、「志望動機」の話題へつなげていくといいでしょう。
受け身の人には活躍や成長の期待を抱けない
近年、匿名で経歴を登録しておくと企業や転職エージェントからスカウトが来るという転職支援サービスが増えています。そのため、「転職を決意しているわけではないけれど、スカウトを受けたから面接を受けてみる」という人が多く見られます。
この場合でも、「転職理由」は聞かれます。「スカウトに応じたからには転職も視野に入れているはず。その理由・目的は何か」という意図で尋ねるわけです。
このとき、「今の会社に大きな不満はない」「スカウトを受けたので興味を持って面接を受けてみた」だけで終わらせないようにしましょう。面接を通じてその企業に魅力を感じ、入社への意欲が湧いたとしても、相手企業から「お断り」になることはよくあります。なぜなら、企業側からこのように思われるからです。
「受け身の姿勢で、主体的に自分のキャリアについて考えていないのではないか」
「うちの会社に入社しても、また別の企業からスカウトを受けたら転職を考えるのではないか」
企業は受け身の姿勢の人に対し、活躍や成長の期待を抱きません。
スカウトに応じて面接を受けることにしたとしても、それを機に今後のキャリアをしっかりと考えてみてください。そして、その企業で実現できるかをすり合わせるつもりで面接に臨むことをお勧めします。
採用担当者は、「転職を考えた理由」を聞くことで、その応募者が「何も考えずに流されるタイプの人」か「キャリアを主体的に、戦略的に考えられるタイプの人」かを判断し、自社での活躍の可能性を探っているのです。